『レゴバットマン ザ・ムービー』

~あらすじ~
寂しがり屋のくせに強がる面倒くさいヒーロー、バットマン。そんな彼のもとに、バットマンに憧れるロビンこと少年ディックがやってくる。ロビンのせいでペースを乱されるバットマンだったが、さらにそこへ、宿敵ジョーカーが宇宙に閉じ込められていた悪者たちを脱走させ、ゴッサムシティを混乱に陥れる事態が発生。街のピンチを救うため、凸凹コンビのバットマン&ロビンは立ち上がるのだが……。(映画.com引用)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆(90/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
「レゴ」を題材に描いた大ヒット3Dアニメ『LEGO(R) ムービー』の続編。
(続編とはいえ、ストーリー的な繋がりはほとんど皆無です。)
前作は子供向けに見えて、「レゴ」で映画を作る、これ以上ない正解を出したどころか、クリエーター論にまでテーマが及ぶ、掘れば掘るほど奥深い、大人向けの傑作でした。
そんな前作の監督フィル・ロード×クリストファー・ミラーのコンビから、今作では前作でアニメーション共同監督を務めたクリス・マッケイにバトンタッチ。
今作も日本では注目度も興行成績も大した事はありません。
しかし、レゴである事を最大限に活かした、映画史に残すべき傑作バットマン映画になっています!
まず、今作でも誰しもが圧倒される魅力は、前作以上に圧倒的で、緻密なレゴアニメーションの情報量。
レゴブロックによる、あたかもストップモーションのようなCGで展開されるアクションの連続は、バットマンのガジェット的な魅力を引き立てます。
そして、その中でこれでもかと詰め込まれる小ネタの数々。
アクションに小ネタと、画面の中に敷き詰められる情報量は気が遠くなるような量なんですが、ストーリーの軸はシンプル&王道で整理されているから、何が何でとわからなくなる事は全くありません。
そして、肝心の小ネタも、キレキレ。
メタネタやパロディで、過去のバットマンシリーズや、DC、更にはワーナーすらも大いに笑い飛ばしてきます。
アメコミ物が好きな人ほど、的を得て誇張した「そういう所あるよね!」のキャラクターデザインに、ニヤニヤが止まらないはず。
しかし...
この映画が凄いのは決して、接待的な要素ではありません。
小ネタが作品の勢いを止めてしまうと、ただの安い「パロディ映画」になってしまうのですが、今作はそんな印象は皆無です。
バットマン×ジョーカーが示す「ヒーローとヴィランと相対性」や、「家族を失い、誰とも正常な関係を結べない孤独なヒーロー」といったバットマン映画の本質を徹底的に描きつつ、ラストの大円団含め、レゴでしか出来得ない解を提示します。
バットマンを笑い飛ばしながらも、どんなバットマンシリーズよりもバットマン論に向き合い、ライド感や親和性含めレゴだからこそ実現出来る、最高のバットマンの映画になっています!
この映画は、バットマンの世界に浸った事がない人でも面白いとは思いますが
小ネタや「どのバットマンよりバットマンじゃん!」って高揚感も、知っている人の方が楽しめるのは間違いありません。
しかし、今からでも、一作目「バットマン」、「バットマン リターンズ」、そしてノーラン版のダークナイト三部作を見て、大急ぎで映画館に駆け込んでも、損はしないはず!!
オススメです!!
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