『美女と野獣』

~あらすじ~
進歩的な考え方が原因で、閉鎖的な村人たちとなじめないことに悩む美女ベル(エマ・ワトソン)。ある日、彼女は野獣(ダン・スティーヴンス)と遭遇する。彼は魔女の呪いによって変身させられた王子で、魔女が置いていったバラの花びらが散ってしまう前に誰かを愛し、愛されなければ元の姿に戻ることができない身であった。その恐ろしい外見にたじろぎながらも、野獣に心惹かれていくベル。一方の野獣は……。(シネマトゥデイ引用)
☆☆☆☆☆☆☆(70/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
ディズニーアニメーションを、ディズニー自身の手で実写化。
『マレフィセント』、『シンデレラ』と続いてきましたが、この流れは今後も不可避であり、『リトルマーメイド』や『プーさん』『ライオンキング』なんかも名前が上がっております。
単純な実写化という意味では、賛否は別れてしかるべき所、『マレフィセント』では主観の視点を変え、『シンデレラ』では現代的なストーリーに再構築をする事で、興行的に大成功してきました。
特に、『シンデレラ』は実写化するこれ以上ない正解を出しちゃった傑作と思っています。
そして、その上記二作と比べて、20年前であれば圧倒的に実写化の難易度が高かったのが、今回の『美女と野獣』です。
「実写化する、そしてそこに説得力がある」という事こそが最低条件にして、超高難易度の絶対条件。
ここをクリアできてしまえば、もともとカルト的な人気を有する作品だけあり、それだけで5億点出ちゃう、『美女と野獣』はそんな作品かもしれせん。
そんな事で、今回のディズニーは、過去二作とは異なり、変化球なしの直球勝負に挑んでいます。
そして、見事5億点を出しちゃいました。
『シンデレラ』はストーリーの改変によって現実味をもたらした一方で、『美女と野獣』はビジュアルの説得力によって、新鮮な作品へと生まれ変わっています。
もう一つ、作品自体から古びた印象を受けないのは、そもそもの『美女と野獣』が持つテーマが、まさに今に通ずる物だからこそ。
見た目や生まれによる差別、そして「~であるべき」という固定概念にさえ、はっきりとNOと言っています。(この辺り、近年のディズニー映画全てに共通していますね。)
また、今作で強調されてはいますが、フェミニズム的な主人公の立場も、オリジナルアニメにあった要素。
ストーリー自体ほとんど変わっていないのに、今の映画に感じさせてくれるあたり、改めてオリジナルアニメの凄み、名作たる所以をこの作品を通して尚も感じました。
とはいえ、今作は多少の改変も付け加えています。
自己表現や、女性の権利といった元々アニメーションの中にあった「今の題材」を強調しているのはもちろん、
コメディキャラでしかなかったル・フウの変化、ベルの過去の物語などが、付け加えられ、ステレオタイプなパートを補正し、深みを作っています。
また、オリジナルアニメで私がどうしても「この野獣、別に自分の行動を悔ひ改めてなくね?」と不満に感じていた部分に関しても、感情に深みが帯びるという形で、一応納得出来たのが良かったです。
一方で少しがっかりしたのが、食卓のシーン。
オリジナルアニメでは最も上がるシーンでしたが、今作は何がどうなっているのか、見せ方の整理がされていないように感じました。
とはいえ、期待通りを叩き出すのが難しい題材で、見事期待通りを叩き出してくれた今作。
今後の実写化の流れも楽しみになってきました!
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