同名大人気漫画の実写映画化
『銀魂』

~あらすじ~
宇宙から襲来した天人(あまんと)に支配され侍が衰退した江戸時代末期、いまだに侍魂を堅持する男・坂田銀時(小栗旬)は、廃れた剣術道場の息子・志村新八(菅田将暉)や、戦闘種族である夜兎(やと)族の少女・神楽(橋本環奈)と共に万事屋を営んでいた。江戸では、謎の妖刀を使った辻斬りが横行し、銀時の旧友である攘夷志士・桂小太郎(岡田将生)がその凶刀に倒れ、行方不明になり……。
(シネマトゥデイ引用)
☆☆☆☆☆☆(65/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
かぶと狩りじゃぁぁぁぁ!!!
週刊少年ジャンプで2002年から連載をスタートし、今尚人気を博し続ける空知英秋さんの同名漫画を実写映画化!
「天人に支配された幕末」という壮大な設定に、ドタバタコメディとチャンバラアクション、そして人情ドラマを組み合わせた、他に類をみない原作漫画。
私自身が大好きな漫画だからこそ、邦画という枠組みの中では、ぶっちゃけ相性が悪そう...なんて勝手ながら不安視していました。
そんな中で、『勇者ヨシヒコシリーズ』の福田監督や、小栗旬はじめとするよろず屋に新撰組、攘夷志士の面々を演じる役者陣が続々と発表され、テンションは日に日にヒートアップ。
不安はありながらも、ギャラクターの再現度を徹底しつつ、和製『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』みたいなバランスになっていれば最高だなーなんて期待を膨らませて鑑賞しました!
鑑賞後のテンションはどうかというと、全面的に大肯定「したい」、そんな感じです。
というのも、ちゃんと銀魂をしてる要素が大半を占めていて、それでいてちゃんと映画している...それだけで感謝が尽きません。
まずは、冒頭のかぶと狩りエピソードから、ギャグを使った一連のキャラクター紹介の驚くべき巧さ。
単発のギャグに終始するのではなく、それがキャラクターやストーリーの血肉となり、世界観を説得力のあるものにする。
そんな「映画的」としか言いようのない導入部に、まずテンションがガン上がり。
このプロットがしっかりしているからこそ、今作のコメディパートには一切安っぽさを感じません。
また、掘り下げ方が巧みでも、ベクトルが間違えば全く別の映画になってしまうところ、
本作はめちゃくちゃ『銀魂』を感じます。
銀魂らしさとは何か?そんなエッセンスを徹底的に抽出したのでしょう。
豪華さだけでない配役と、
衣装デザイン含めたキャラクターの投影、
そして彼らが発するギャグと間。
今まで見てきたどのSF漫画の実写化よりも、ギャラクターと世界観の再現性が極めて素晴らしい!
特に気に入っているのが、巨大犬定春がCGなのに、謎のペットエリザベスは着ぐるみというアイデア。
苦し紛れに見えるこのアイデアと活かし方が、まさに銀魂らしさとして回帰し、もうこれ大正解でしょ。
銀魂らしさの抽出と巧みな世界観の紹介プロットにより、漫画の再現度抜群の世界観と、嘘っぽくなさを両立した、邦画としては極めて稀な作品になっています。
もちろん、肝心のギャグ自体も流石『勇者ヨシヒコシリーズ』の福田監督、決して外すことはしません。
銀魂十八番のパロディネタと下ネタはもちろん、そこに俳優自身をいじるギャグまで上乗せ。
某スタジオネタや、被り物ネタと、そこに対する新八のツッコミ含め、完全オリジナルギャグこそがもうめっちゃ銀魂!
そんな訳で、感謝以外の言葉が出てこない...
そんな筈なんですが、一本の映画として見た時にはやはり不満も言いたくなる...
その不満は、銀魂らしさの一つでもあるはずのシリアスシーンにのみあります。
キャラクターの語りがストーリーを止める、状況を無視して語りが優先されるという邦画の典型的なダメさ。
敵がご丁寧に待ってくれる優しさよ...
ギャグなのかよくわからない、大声キャラも結構邪魔に。
作品がシリアスに転調していくほど、コメディでは肯定していた世界観の嘘っぽさが増長していきます。
そんなシリアス部分が、映画内で結構な割合を占める為、見終えた直後は感謝を忘れていたのが正直な所です。
ともあれ、特にコメディパートは、ギャグのキレ×原作らしさ×映画的なルックを両立した素晴らしい出来栄え。
豪華キャストのオールスター祭り、銀魂ファンならずとも見て損はないはず!!
ランキング登録しました。
気に入っていただけた方は、下記クリックをお願いします^ ^

にほんブログ村

