ピクサー18作目は、大人気シリーズ3作目!
『カーズ/クロスロード』

~あらすじ~
迷い込んだ田舎町ラジエーター・スプリングスで、ドック・ハドソンをはじめとする心優しい仲間との触れ合いを経て、自分勝手だった性格を改めたスポーツカーのライトニング・マックィーン。目覚ましい活躍を見せてきたマックィーンだったが、最新型レーサーが次々と台頭してきて苦戦を強いられる。いつまでも第一線にいたいという焦りに駆られたマックィーンは、ある日レース中にクラッシュ事故に遭遇。運にも世間にも見放され、頭の中に引退という文字がちらつき……。
(シネマトゥデイ引用)
☆☆☆☆☆☆(65/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
マックイーンが帰ってきた!!
ピクサー・アニメーション・スタジオの第18作目にして、「カーズ」シリーズの第3作目。
あーピクサーね。面白いのは間違いない。
そんな理不尽きわまりない状況で、初監督を務めるのはストーリーボート・アーティストであったブライアン・フィーさんです。
シリーズ一作目と二作目の監督であったのは、ミスターピクサーこと、現ディズニーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーのジョン・ラセター。
「トイストーリー」の空前の大ヒットに乗って2006年に公開された「カーズ」一作目。
何故王道は王道なのか、その大切さを確信させるピクサー屈指の快作でした。
(今作は、一作目を見ている事が絶対条件になってます。)
一方で、2011年に公開された「カーズ2」は、まるでスパイ映画ばりなは娯楽的要素を追求するあまり、ピクサー作品としてはびっくりな内容の薄い作品になってしまっていました...
そんなスパイテイストから、新監督のブライアン・フィーはドラマ路線に回帰。
「新たな存在の台頭」という、誰しもが避けられない命題に、自らの立場を重ね合わせるように描いています!
すっかりベテランとなり、レース界のスターとして輝きまくるマックイーンとそのライバル達。
しかしそんな中、最先端なレーシーングカーが次々に登場、次世代の波が押し寄せ、マックイーン世代は続々と現役に幕を下ろしていきます。
奮闘するマックイーン。
しかし、以前のように勝てない彼は、無理なドライビングにより大クラッシュを起こしてしまいます...
食らいつくべきか、道を譲るべきか。
そして、いかにして立ち上がるべきで、いかにして退くべきか。
本作では、そんな誰しもがいつかは向き合わないといけない、人生の岐路における選択を問いかける、大人目線のテーマが内包しています。
では、子供は楽しめないのか?と言われれば、決してそんな事はありません。
一作毎に迫力を増すレースシーンはもちろん、今作も外せないのはマックイーンをとりまくカーズの面々。
メーターやサリー、ルイジにグイドといったラジエーター・スプリングスの住人や、スティーズの二人といったお馴染みの面々はもちろん、新たなキャラクターを含めて、個性豊かな賑やかさに飽きる事はありません!
悩むマックイーンの背中を押し、力となる...様々な仲間達がストーリを動かすのも、カーズ最大の魅力の一つです。
キャラクターについて書くのであれば、今作で切り離せないキャラクターが2台?2人?います。
まず1台目は、黄色が一際目立つ2ドアクーペのクルーズ・ラミレス。
レーシング・センターで働く若手女性トレーナーの彼女は、マックイーンのトレーニングパートナーとして行動を共にします。
マックイーンとラミレスがぶつかりながら、互いに理解・成長していく...
今作は正真正銘、王道バダィムービーなのです!
そしてもう1台が、マックイーンの師匠ドック・ハドソン。
一作目でマックイーンの性根を叩き直した師匠ですが、二作目前に老衰で亡くなっていました。
つまり今作でドックはストーリー上には一切登場はしないのですが、最大の存在感を放ちます!
マックイーンと同じく大クラッシュにより、自らの意思に反して引退に追い込まれたドック。
そんな師匠の姿と、マックイーンは自らを度々重ね合わせ、嘆くのですが....
ラミレスと共に訪れた、ドックの故郷。
そこで気づかされる彼の生きた道と抱えていた想いに、涙が止まりません。
自分の中に彼の魂が生きているんだ!
そしてこの映画、その気づきを更にもう一歩進めるのが、おそろしく偉い所。
ネタバレ厳禁で、具体的には絶対に言えないのですが...
ざっくり言いますと、この映画のテーマに対する最大のアンサーが、ラストの驚きの展開で表面化します。
その瞬間、この映画は、確かに「それ」をずっと描いていた事に気付かされます。
いつの間にか、どんな道にいても前を向きたい...そう思えるようになっていました。
さすが、ピクサー。
そこまで描いちゃうか...
なんて内容なのは確かにそうなんですが、他のピクサー作品に比べると、脚本事態からスキがあり、どうしても突っ込みたくなります。
一番納得いかないのが、この映画事態に理論や根拠が欠落している事です。
「テクノロジー」か「ノウハウ」という形だったはずの新世代との対立軸。
「テクノロジー」と「ノウハウ」の融合で乗り越えるのかなと思いきや、たどり着くのは原点への立ち還りのみ。
テクノロジーは完全無視?それじゃ結局限界があるのでは?
何故その練習で早くなるのか、何故テクノロジーを上回るかの根拠が、作中からは全く見えません。
それにいつの間にか、勝てなくなったのは「年齢」のせいにすり替わっていくのもスッキリしませんでした。
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