女神の降臨!DCの逆襲!
DCエクステンデッド・ユニバース3作目
『ワンダーウーマン』
~あらすじ~人間社会から孤立した女性のみの一族のプリンセスとして生まれたワンダーウーマン(ガル・ガドット)は、自分が育ってきた世界以外の環境を知らず、さらに男性を見たこともなかった。ある日、彼女は浜辺に不時着したパイロットと遭遇。彼を救出したことをきっかけに、ワンダーウーマンは身分を隠して人間社会で生活していくことにする。(シネマトゥデイ引用)
☆☆☆☆☆☆☆☆(80/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし) アメコミ界の両巨頭。
マーベルコミックスと、DCコミックス。
コミック、映像化と凌ぎを削っていた両者ですが、近年はマーベルコミックスの連続シリーズ化、ユニバース化による大成功で、アメコミ映画=マーベルと言っても良い程マーベルが圧倒。
しかしそれ以前のアメコミ映画の筆頭はDCコミックスであったはず...
そんな状況の2013年にマーベルに遅れながら、DC側もユニバース化をスタートさせますが、旨味が皆無なスーパーマンの誕生譚『マン・オブ・スティール』、お話が崩壊していた『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』、溢れている旨味成分を全て台無しにした『スーサイド・スクワット』と、興行的にも批評的にも惨敗でした。
(個人的に最もがっかりしたのは『スーサイド・スクワット』ですが...)
特に本筋の一.二作目に関して触れると、重み表現等良い所があるにはあるのですが、
ヒーロー物としてはあまりに辛気臭すぎる上、そのストーリー自体も崩壊していた為、「もうDC作品は見なくてよいかな...」なんて思いにすらなっていました。
そんな中でも辛うじて興味を持続させてくれたのが、今作の主人公、ガル・ガドット演じるワンダーウーマンの存在です。
『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』終盤での
彼女の登場シーンは、作品中の鬱憤を全て弾き飛ばしてくれる程、活力に満ちた素晴らしくカッコ良いシーンになっていました。
そして発表された今作の監督が、
シャーリーズ・セロンが戦いすぎる女性(殺人鬼)を演じた『モンスター』のパティ・ジェイキンス。
ヒーロー映画としては初の女性監督であり、自身としても満を持して14年ぶりの監督作品になります。
本国公開から飛び込んでくる絶賛の嵐、興行的にも女性監督歴代NO1のヒットとあって、ついに来たかDC!とめちゃくちゃ楽しみにしていました!
これが見たかったんだよ、DCヒーローさん!「神話」的な描き方が特徴なDCユニバース。
シリアスでダーク、括弧つきでリアルな世界観は、今作の冒頭でも健在であり、それどころか直接的に「神話」に対するアプローチから始まります。
神が作りしアマゾン族伝説の島セミッシラ。
少女時代のワンダーウーマンが、女性しかいないこの閉鎖された環境の中で、いかにして成長していくか、更にいかにして戦士を志したかを非常に丁寧に描いていきます。
女性監督パティ・ジェイキンスだからこそ実現出来た
「女性だけの神の島」の独特な雰囲気は、どの映画でも見たことのない印象を与えてくれます。
またこの丁寧な誕生譚から始まるアプローチは、直近のマーベル作品と比較すると正反対で非常に面白さがあります。
確かに丁寧であるが、やはりDCにはこの「神話」的な描き方は避けられないのね...
そう感じていたのは、クリス・パイン演じる不時着したパイロットのスティーブ・トレバーとの出会いまで!
自らは神によって作られ、戦争を創りし軍神アレスを打倒するワンダーウーマン。
人間の弱さと間違いによって起こった戦争を、人間の責任として終わらせんとするトレバー達。「神話」と「現実」が引き合わせられる事で、それぞれが相対化し、ユーモア、そして皮肉として機能、これが作品の抜けを良くしていき、抜群に楽しい!誕生譚の丁寧さが、この楽しさを強調しているのは間違いし、独特の空気は崩さないようにオフビートなギャグを投入するバランス感覚も流石です。
そしてこの対比が、テーマとしてラストまで効いてきます。
「現実」の人間の戦いに対する受け取り方の変化、歩み寄り。それらが
ワンダーウーマンの内的な成長となり、彼女の戦士としての外的な成長、つまり能力の解放に繋がるのだから、めちゃくちゃ上がります。それだけでなく、
「神話」として存在する戦いも、「現実」として存在する戦いもどちらも本物で、それぞれがそれぞれの戦いでけりをつける。
どちら目線で見ても正しいラストに、これまでのDCユニバースを全て見直す勢いで感動しました。
もちろん、そんなストーリーの構造を置いておいても、アクション、つまりは彼女の戦闘スタイルが抜群にカッコ良い!
ようやく昼間の戦いを見せてくれただけでなく、
初めてのコスチューム披露から、「耐えて、耐えて、耐えて、攻撃する」そんな彼女のスタイルが凝縮された戦い方で、男共の先陣を切って突入する戦場シーンが、とにかく上がる!そこでかかるテーマソングも上がる!
ヒーロー映画史上屈指の名シーンと言って間違いなし。
上記スタイルが、女性が権利を勝ち取ってきた戦いと重なるのもまた良いですよね。
これまでのDCユニバースの中では駄目すぎて突っ込み気にすらならなかった所が、今作は文句をつけたくない映画の中だからこそ目立ってしまっている点もいくつかあります。
ストーリーの唐突さ、強引な展開がまだ目立つなと。
特に序盤の母親が受け入れるシーンと、終盤のワンダーウーマンのある変化には、釈然としない所が残りました。
しかし!
それでも間違いなく、旨味だらけの素晴らしい作品!
これからのDCユニバースがますます楽しみに。
オススメです!
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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画
- 2017/09/06(水) 15:27:54|
- 2017年公開映画
-
| トラックバック:20
-
| コメント:2
シュメール語を理解できる貴重な女性を前線に送っちゃダメ・・・
- 2017/09/06(水) 23:35:41 |
- ネタバレ映画館
NY渡米時にちょうど公開されていたが「どうせアメコミヒーロー物」とスルー。
というのは、もうMARVELでさえウンザリ! なのに、DCコミックス物。
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」はどうみても クソ映画(笑)
そっち系統なので、あっさりとパスしたのだ!
そしたらすこぶる評判が良く、少々後悔。
で、さっそく(笑)
主演のワンダーウーマンを演じ...
- 2017/09/07(木) 01:24:15 |
- 日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
信じるは、愛の力…
詳細レビューはφ(.. )
https://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201708250000/
『ワンダーウーマン』オリジナル・サウンドトラック [ ルパート・グレグソン=ウィリアムズ ]
- 2017/09/07(木) 05:57:46 |
- 日々“是”精進! ver.F
人類が争いをやめないことについて、深く考えさせられた。
- 2017/09/07(木) 07:26:58 |
- 或る日の出来事
【ネタバレ注意】
何と、こんなアレンジで来たか!
映画『ワンダーウーマン』についてほとんど白紙の状態で観に行った私は、意表を突いた設定に驚いた。
この映画については白紙でも、ワンダーウーマンを映画デビューさせるためにスーパーマンとバットマンが前座を務めたような『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』で彼女の勇姿は目にしていたし、リンダ・カーター主演の197...
- 2017/09/07(木) 08:14:56 |
- 映画のブログ
予想外に面白かった。「予想外に」なんて書くと、全てのDCファン、アメコミファンから袋叩きに遭うのかもしれないが、個人的な思いとして、もうDCやマーベルのアメコミ系はいっかなー、と思っているもので。だから、確か「スーサイド・スクワッド」でだったと思うけど、ラストにワンダーウーマンが出てきて観客から歓びの声が上がる、なんて現象にはちっともノレなかったし、美しきアマゾネス戦士にも大して興味もなく、...
- 2017/09/07(木) 10:47:38 |
- ここなつ映画レビュー
人間社会との接触が全くない孤立した女性だけの一族のプリンセスとして生まれた女性戦士ワンダーウーマン。 彼女は地球最高レベルの強さと美しさを兼ね備えており好奇心旺盛だが、外の世界を一切知らず、男性を見たことすらなかった。 ある日、彼女は浜辺に不時着したパイロットを助ける…。 女性スーパーヒーローアクション。
- 2017/09/07(木) 12:41:22 |
- 象のロケット
【出演】
ガル・ガドット(ダイアナ/声:甲斐田裕子)
クリス・パイン(スティーブ/声:小野 大輔)
【ストーリー】
人間社会から孤立した女性のみの一族のプリンセスとして生まれたワンダーウーマンは、自分が育ってきた世界以外の環境を知らず、さらに男性を見たこ...
- 2017/09/07(木) 20:19:54 |
- 西京極 紫の館
愛で、世界を救う。
6月の米国公開時の絶賛の嵐も納得、これは期待に違わぬ面白さ。
「マン・オブ・スティール」から始まる、同一世界観のDCエクステンデット・ユニバース(DCEU)は、「バットマン vs スーパーマン ジャスティの誕生」「スーサイド・スクワット」の3作が公開済み。
ガル・ガドット演じるワンダーウーマンも、既に「バットマン vs スーパーマン」でゲスト出演的に登場している...
- 2017/09/07(木) 22:13:37 |
- ノラネコの呑んで観るシネマ
映画『ワンダーウーマン』は、DCの『ジャスティス・リーグ』公開前に、ワンダーウー
- 2017/09/07(木) 22:50:34 |
- 大江戸時夫の東京温度
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』にも登場した人気キャラクターで、美女戦士ワンダーウーマンを主人公にしたアクション。女性だけの一族出身で男性を見たこともないプリンセスがたどる運命を描く。ワンダーウーマンを演じるのは『ワイルド・スピード』シリーズなどのガル・ガドット。『スター・トレック』シリーズなどのクリス・パインらが共演し、監督は『モンスター』などのパティ・ジェンキンスが...
- 2017/09/08(金) 12:33:07 |
- パピとママ映画のblog
作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/170257/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください
頼もしく強い美女☆の活躍もですが
案外、深いものがあるーーと聞いたので、楽しみにしていました☆
男を知らないアマゾネス――とは、ドキッとしてしまいますが
ダイアナは、平和を願うピュアな乙女。
あの戦闘的ないでたちで、平和??と...
- 2017/09/08(金) 20:37:57 |
- yutake☆イヴの《映画★一期一会》
☆・・・マーベルコミックスのヒーローたちを一堂に会させたのが「アベンジャーズ」。 そして、DCコミックスのヒーローを参集させたのが「ジャスティス・リーグ」。 今作は、ジャスティス・リーグの一人であるワンダーウーマン初の単独作である。 と言うか、ジャスティ...
- 2017/09/09(土) 00:35:36 |
- 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
やっぱり彼女の前ではどんな男も霞んでしまう。ただしスティーヴだけは…違った!
マーベルに押されまくりのDCコミックに救世主現る!もはや男性ヒーローなんて、特にマザコンヒーローなんて大金持ちであろうが、異星人であろうが、彼女のサポート役へお廻りなさい!
全て...
- 2017/09/09(土) 23:28:18 |
- こねたみっくす
【解説】
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』にも登場した人気キャラクターで、美女戦士ワンダーウーマンを主人公にしたアクション。女性だけの一族出身で男性を見たこともないプリンセスがたどる運命を描く。ワンダーウーマンを演じるのは『ワイルド・...
- 2017/09/10(日) 09:59:44 |
- タケヤと愉快な仲間達
こんなにボディラインはっきりのスーツで、優雅に舞いながらアクションを華麗にキメて、クールビューティーな美人がバッタバッタと男性を倒していくんだから、そりゃもう男性陣はたちまちノックアウトでしょう?
- 2017/09/10(日) 13:36:18 |
- ノルウェー暮らし・イン・原宿
【監督】パティ・ジェンキンス
【出演】ガル・ギャドットダイアナ/クリス・パイン/ロビン・ライト/ダニー・ヒューストン/デビッド・シューリス/コニー・ニールセン/エレナ・アナヤ/ユエン・ブレムナー
【公開日】2017年8月25日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
ワンダーウーマンが生まれたのは、女性だけが暮らすパラダイス島。ダイアナ(ワンダーウーマン)はその島のプリンセス...
- 2017/09/10(日) 19:42:31 |
- シネマをぶった斬りっ!!
☆☆☆☆☆ (10段階評価で 10)
8月25日(金) 109シネマズHAT神戸 シアター8にて 13:30の回を鑑賞。 2D:字幕版。
9月1日(金) 109シネマズHAT神戸 シアター7にて 15:15の回を鑑賞。 2D:字幕版。
- 2017/09/10(日) 20:34:21 |
- みはいる・BのB