『スキップ・トレース』

~あらすじ~
相棒を殺した犯罪王ヴィクター・ウォンを9年間追い続けるベテラン刑事ベニー・チャン(ジャッキー・チェン)は、犯罪に巻き込まれた亡き相棒の娘サマンサ(ファン・ビンビン)を救うため、事件の鍵を握るアメリカ人詐欺師コナー・ワッツ(ジョニー・ノックスヴィル)を追ってロシアへ向かう。マフィアに捕らえられていたコナーを無事に確保するベニーだったが、なぜか彼と一緒に追われる身となってしまい……。
(シネマトゥデイ引用)
☆☆☆☆☆☆(65/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
引退なんてしないしない。
我らが大スター、ジャッキー・チェン主演最新作!
「アジアのロバート・デ・ニーロになりたい。」
なんて言って本格アクションからの引退宣言をした『ライジング・ドラゴン』から3年。
『ポリス・ストーリー レジェンド』や『ドラゴン・ブレイド』等シリアストーンの無茶は抑えめのアクションを経て迎えた今作。
御歳61歳(撮影同時)にして、サービス精神全開なジャッキーアクション復活でございます。
演技派としての幅を広げつつも、『ラッシュアワー4』と『ベスト・キッド2』等の企画にも意欲的との事。
ありがとう、ジャッキー。
ジャッキー・チェンをリアルタイムで見られる事に、感謝感謝。
今作の監督にはもっか中華圏へ出稼ぎ中、『ダイハード2』や『ディープ・ブルー』『クリフハンガー』のレニー・ハーリン。
細かなプロットの積み重ねより、とにかくやりたい事をやっちゃう潔い良い映画監督です。
そしてジャッキーの相方、アメリカ人詐欺師を演じるのは『ジャッカル』シリーズのジョニー・ノックスヴィル。
ばりばりコメディ畑出身の俳優さんですね。
今作はジャッキー演じる拗らせ刑事と、ジョニー演じる調子の良い詐欺師の、バディロードムービーになっています!
ジャッキーのバディムービーといえば、『ラッシュアワー』シリーズや、『シャンハイ・ヌーン』、一人二役の『ダブル・ミッション』や『ツイン・ドラゴン』なんかがありますが、今作はそこに『WHO AM I』的なロードムービーを足し合わせ、
非常にライトなザ・娯楽作品、これぞジャッキー作品な仕上がりになっています。
まず冒頭のコミック感満載のキャラクター紹介。
ジャッキー映画としては今まで見ないアメリカナイズな演出から始まります。
ぶっちゃけここだけを見ると今更感が満載で、ダサいっちゃダサいのですが、そこにジャッキー・チェンがいると安心するこの感じ。
そして、その後の川辺てのアクションが、往年のジャッキー映画そのもので、心底ありがとう!
アメリカナイズされたジャッキー映画っていうのが心を揺さぶってくる訳です。
中国、ロシア、モンゴル...
そんな世界各国でアクションを展開していくジャッキー。
場所場所の特徴を用いたカンフーアクションが既視感はあるものの、作品の閉じられた時間の中ではどれも新鮮で、ジャッキーに求めてる物でもある。
やっぱりレニー・ハーリン監督は、ジャッキーでもチェンが大好きなんだなと感じました。
そんなジャッキーと対照的なキャラクターでありながら、次第に相棒になっていくのが、お調子者詐欺師のコナー。
彼のキャラクター紹介の一連の流れは、しっかりカッコよく、そしてしっかり間抜けでもあり最高でした。
またバディ物というだけでなく、二人の関係性の置き方自体も『ラッシュ・アワー』のそれで、監督が猛烈に意識している事も伝わってきます。
上述の通り、往年のジャッキーアクション、そこに組み込まれる一見アンバランスなアメリカナイズされた作り含め、ジャッキー映画だなーという楽しさは終始続きます。
しかし、それ以上でもそれ以下でもないというのが、この映画の欠点なのかもしれません。
面白味のない物語、ツッコミ所満載の展開、ちぐはぐな演出により、感情が盛り上がりきらず、そこまで乗り切れませんでした。
それでも、2017年にまだリアルタイムでジャッキー映画を見られる幸せに勝るものなし。
ジャッキーありがとう!!!
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