スタジオライカ最新作。
『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』

~あらすじ~
クボは三味線を奏でることで折り紙を自由に操ることができるという、不思議な力を持つ少年。かつて闇の魔力を持つ祖父に狙われた際に父を亡くし、片目を奪われたクボは、最果ての地で母と生活していた。しかし、闇の刺客に母までも殺されてしまう。両親のあだ討ちを心に誓ったクボは、面倒見のいいサルと弓の名手であるクワガタを仲間にする。
(シネマトゥデイ引用)
☆☆☆☆☆☆☆(75/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
『コララインとボタンの魔女』や『パラノーマン ブライス・ホローの謎』のストップモーション・アニメーションを制作するスタジオライカ最新作!
スタジオライカの長編映画としては三作目になります。
監督は初の長編作品となるトラヴィス・ナイトさん。
パラノーマン~にも関わったアニメーターであり、スタジオライカのCEO。
父親がナイキ創設者のフィル・ナイトさんなんだから、本当なんて一家だ!
特殊な力を持つ主人公が、復讐の為に不思議な武器と力を求めて、仲間と共に旅に出る。
これでもかというストレートな冒険譚のシナリオの中で、異彩を放つのはスタジオライカの独自の人形劇です。
作り手の熱量と途方もない緻密な作り込み。
その結果、画面に広がる情景の豊かさはCGとほとんど遜色なく、更に人形劇だからこその世界で類を見ない質感が画面に広がります。
恐るべきスタジオライカ!
そしてその舞台が日本であり、リスペクトフルな活かし方をしているのだから上がらない訳がない。
表面的な名前やビジュアルだけでなく、かぐや暇を連想せざる得ない日本的な世界観や、大正解なお盆の活かし方。
日本の精神性を物語に投下しようとする姿勢が随所に感じて、もう本当ありがとうございます!
一部中国がMIXしちゃってるなんて事はあるけど、そんなのご愛嬌程度。
こんな日本を舞台とした世界観と、人形劇の質感は、NHK人形劇を恐ろしくアップグレードした様子で、当然ながらマッチしています。
そんなこの作品に更に凄みを与えているのは、非常に多層的な構造になっているテーマの語り方です。
スタジオライカ作品は人形劇の性質上、「語られている」事を強く感じやすいのですが、本作はそれが直接のテーマになっています。
詳しくは言えませんが...
何故物語が必要とするのか?
序盤で語られる結末のない物語。
そしてラストで語られる救いの物語。
積極的には指摘しないのですが、奥にある物語が、常に薄っすらと意識させられる作りになっていて、それが余計に胸を締め付けるのです。
恐るべきスタジオライカ!!
今更ながらオススメです!!!
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