『グレイテスト・ショーマン』

~あらすじ~
P・T・バーナム(ヒュー・ジャックマン)は妻(ミシェル・ウィリアムズ)と娘たちを幸せにすることを願い、これまでにないゴージャスなショーを作ろうと考える。イギリスから奇跡の声を持つオペラ歌手ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)を連れてアメリカに戻った彼は、各地でショーを開催し、大成功を収めるが…
(シネマトゥデイ引用)
☆☆☆☆☆☆(65/100)
CMクリエイター、マイケル・グレイシーさんの初監督作品。
彼の手がけたCMはこちらで確認出来ます。
〈マイケル・グレイシーCM映像集〉
音楽とVFXを活かしたハイセンスな映像作家のデビュー作は、我らがヒュー・ジャックマン主演のミュージカル映画。
いきなりビッグタイトルを任せられた驚きもさる事ながら、実写版NARUTOの監督も決まってるそうで、色んな意味で目が離せない監督である事は間違いない。
今作はザック・エプロンとミシェル・ウィリアムズの売れっ子に加えて、非常に個性のある役者が登場し、彼らがこの映画の大きな肝となっています。
映画、サントラともに日米で大ヒットを記録している今作。
その評判に違わず、冒頭から一気に心を掴みにきます。
オープニングアクトな「the greatest show」は迫力十分で、これぞミュージカル映画!という圧巻の佇まいでいきなり最高の高揚感に包んでくれるのです。
今作の主人公、ショービシネスの概念を覆していくバーナムは実在の人物。
そんな彼が、幼少期の出来事を経て掴んでいく成功、そして味合う挫折を、ミュージカル形式を多用し非常にテンポよく描いていきます。
今作ではミュージカルシーンは、大きく二通りに大分されます。
日常で感情をぶつけて歌うシーン、ショーのパフォーマンスとして歌うシーン。
特に素晴らしいのが劇中劇となる後者です。
何度かある、実際の物語から地繋ぎに放り込まれるショーシーンが圧巻。
物語上で少しずつ高まってきたポジティブな想いに対し、そのままの流れでショーに放り込まれる事で、「そうなんだよ!」と説得力増し増しで、兎に角上がります。
この時に感じる多幸感だけでも、今作は間違いなく観る価値があります。
ここからは、あくまで個人的に...
概ね好評なこの映画に対して、消化しきれない気持ちをぶつけさせてもらいます。
色々とあるのですが...
兎に角この映画に「上手くまとまった風」があまりにも多い。
ミュージカルシーンの勢いで、物語をごまかしているのです。
そうじゃないだろと、何度も叫びたくなりました。
そもそも、映画におけるミュージカルシーンの意義は、ストーリー中に見えてきた流れを加速的に説得力を持たせる事に有効だと考えています。
だからこそ前述したショーシーンはミュージカル映画として最高なのです。
しかし、全く有り得ない流れをミュージカルシーンで強引に作り出したり、逆に周知の事実をクドくミュージカルに乗せて歌われると、冷めてしまいます。
今作のショーシーン以外の使われ方は、特に前者が多く、「そんな上手い事...」と感じてしまいました。
そして、そんな構成の最大の被害者は「マイノリティな劇団員」です。
偏見や差別と戦う彼らは、この映画の大きなテーマの一つ。
しかし、それが完全に上記問題により裏目に出ています。
初めてショーに出る時の葛藤は並大抵の事ではないはずだし、あんな仕打ちをしたバーナムをそう簡単に許せるはずはありません。
それなのに、音楽一つ「上手くまとまった風」で誤魔化す。
彼らは「バーナムの物語」上で動いてるに過ぎず、この映画を盛り上げる為、テーマを伝える為に利用されている。
彼らが映画自体の道具にしか見えないって、正に劇中劇で感じる危うさと同じでは...
本当に薄っぺらい映画に見えてしまいます。
他にもネタバレになるので書きませんが、ラストの大オチも全く持って納得いきません。
それって対象は違えど中盤と同じ事では...
何故あんなラストを選んだのか、理解できません。
ちょっと苦言を書きすぎてしまいましたm(_ _)m
多分、世間の評判の良さが納得できない、そんな性格の悪さからです笑
しかし!!
私は少数意見。皆さんにとっては面白いはず。
私にとっても良い所は沢山ありました!
是非、劇場で。
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