スティーブン・スピルバーグ最新作!
『ペンタゴン・ペーバーズ/最高機密文書』
~あらすじ~ベトナム戦争の最中だった1971年、アメリカでは反戦運動が盛り上がりを見せていた。そんな中、「The New York Times」が政府の極秘文書“ペンタゴン・ペーパーズ”の存在を暴く。ライバル紙である「The Washington Post」のキャサリン(メリル・ストリープ)と部下のベン(トム・ハンクス)らも、報道の自由を求めて立ち上がり……。(シネマトゥデイ引用)
☆☆☆☆☆☆☆☆(80/100)以下 レビュー(核心のネタバレなし)名実共にトップに居続ける映画監督、スティーブン・スピルバーグ監督の最新作は、ジャーナリズムを説く社会派ドラマ!
ジャーナリズムを実在の報道から描いた映画といえば、記憶に新しい神父の性的暴行という禁断の報道を扱った『スポットライト』や、今回の内容とも繋がるウォーターゲート事件を扱った『大統領の陰謀』などがあるなか、スピルバーグは
トランプ大統領就任後に「今」だから伝えないといけないという義務にも似た熱量で、
製作準備からなんと1年2ヶ月程で公開へ持ってきたのが今作。
この超スピードの製作に乗っかったのが、トム・ハンクスとメリル・ストリープという超大物オスカー俳優。
ここにもハリウッドの反トランプの力強さが垣間見られます。
撮影期間に至っては約二ヶ月という、イーストウッド監督ばりの早業で仕上げた今作。
流石にとっちらかってるのでは?と思いたくなる所、
完成度はこのスピード感とは全く無縁で、スピルバーグの映画監督としての力量に驚かされます。
時代はベトナム戦争下、まだまだ政治家と報道の関係は強く、彼らの下でこそ報道が成り立ってた時代です、
ワシントン・ポストの報道のトップであるトムハンクス演じるベンと、会社のトップであるメリルてストリープ演じるキャサリン。
二人は旧友の中である一方で、性格や仕事への背景、情熱の方向性は全く異なります。報道の自由を信じて疑わず、自分の成す事に対して野心の高いベン。
家族経営の会社で夫の死によりトップに就き、周囲からは軽く見られるキャサリン。
二人の目の前に、戦争下の政府の嘘が綴られる「ペンタゴン・ペーバーズ」があらわれた時...
報道の自由、政治家との関係、そして会社の存続と従業員の生活...
全く違った立場や背景を持つ二人の葛藤は正反対です。
特に経営者キャサリンの立場にとっての正しさとは一体何なのか...
(メリル・ストリープの煮え切らない演技も素晴らしい!)
そんな
二人の葛藤が、ライバル社との関係やバレるバレない展開、そして裁判の行方といった段階的に変化して行くサスペンス要素と絡まって盛り上げていくのだから、エンターテイメントとしてめちゃくちゃ面白いんです。決して、社会派だけな映画でないのが、もう本当流石スピルバーグ監督だなぁと。
更に圧巻だったのが、
告発文書に対するスタンスや葛藤は対称的な所にいた二人が、見てる我々が「そうであって欲しい、そうでなければ困る」所、これこそ今スピルバーグ監督が伝えたかった
ジャーナリズムの意義で、そこに二人して行き着く...そんなプロセスが本当素晴らしく二人分のガッツポーズが出てしまいます。そんな、カタルシスの最高潮もまた印象的。
『シン・ゴジラ』以来の、あのシーンに燃えるとは...
ラストシーンが「あの事件」に繋がる事もこの映画にとっては非常に大きな意味があります。
メディアが政府に対して機能しているかが、この世界を純化させるのにいかに重要か...痛感させられました。
いや本当、穴がなくて、スピルバーグ流石すぎる!
万人におススメ出来るエンタテインメントな社会派ドラマ。
是非劇場で!!
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画
- 2018/04/15(日) 00:08:55|
- 2018年公開映画
-
| トラックバック:11
-
| コメント:0
映画『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』は、スピルバーグがトランプ政権に突き
- 2018/04/17(火) 22:36:55 |
- 大江戸時夫の東京温度
『リンカーン』『ブリッジ・オブ・スパイ』などのスティーヴン・スピルバーグの最新作。
原題は「THE POST」。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンをはじめとして、日本のガンダムとか様々なキャラが賑やかに登場し、おもちゃ箱をひっくり返したような映画になりそうな『レディ・プレイヤー1』が4月20日から公開となるスピルバーグ。それとほとんど同時にアメリカの歴史を...
- 2018/04/17(火) 23:01:55 |
- 映画批評的妄想覚え書き/日々是口実
上映中の映画、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』を見るため、地元ちかくの映画館、イオンシネマ守谷へ行ってまいりました。
- 2018/04/17(火) 23:21:37 |
- 旅と遺跡とセルベッサ
アカデミー賞にノミネートされていなかったら、正直観に行ってなかったかも。
そしてスピルバーグならではの生真面目なつくりが、前半あくびを何度も出させることにもなった。
一昨年オスカーを受賞した「スポットライト 世紀のスクープ」と比べると、ややメリハリが足りなかったかな…
- 2018/04/17(火) 23:43:55 |
- ノルウェー暮らし・イン・原宿
詳細レビューはφ(.. )
https://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201803300001/
「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」オリジナル・サウンドトラック [ ジョン・ウィリアムズ(指揮者) ]
- 2018/04/18(水) 06:23:32 |
- 日々“是”精進! ver.F
映画 『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書(日本語字幕版)』(公式)を本日、劇場鑑賞。
採点は、★★★★☆(最高5つ星で、4つ)。100点満点なら75点にします。
【私の評価基準:映画用】
★★★★★ 傑作! これを待っていた。Blu-rayで永久保存確定。
★★★★☆ 秀作! 私が太鼓判を押せる作品。
★★★☆☆&...
- 2018/04/18(水) 07:45:19 |
- ディレクターの目線blog@FC2
☆☆☆☆- (10段階評価で 8)
4月7日(土) 109シネマズHAT神戸 シアター1にて 16:10の回を鑑賞。 字幕版。
- 2018/04/18(水) 14:50:37 |
- みはいる・BのB
報道は、誰の為にあるのか。
さすがスピルバーグ、地味な素材ながら圧巻の面白さ。
アメリカ政府がひた隠すベトナム戦争の真実を、ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストが暴露した史実の映画化。
メリル・ストリープとトム・ハンクスという、現代ハリウッドを代表するオスカー俳優が、それぞれワシントン・ポストの女性社主と敏腕編集主幹を演じる。
二人は、経営と現場というそれぞれの立場で苦悩し...
- 2018/04/18(水) 22:18:30 |
- ノラネコの呑んで観るシネマ
「この物語には、現代との共通点が、とても多いと考えた。だから、すぐに作って公開したかったんだ。作った年に、公開したかったのさ。」[*1]
「脚本を読んだのは2017年2月で、すごい迫力で迫ってきました。報道機関が直面している壊滅的な攻撃を思い起こさせ、撮影中だった一つの作品に関する仕事以外はスケジュールを空けて、この映画を撮ることにしました。17年中に完成させるという目標に向かって...
- 2018/04/20(金) 01:56:16 |
- 映画のブログ
1971年、アメリカ。 ベトナム戦争が泥沼化し反戦の気運が高まっていたこの時期に、国防総省がベトナム戦争について調査・分析した7000枚に及ぶ文書の一部が、ニューヨーク・タイムズにスクープされた。 ライバル紙に先を越された、ワシントン・ポストの女性発行人キャサリン・グラハムと編集主幹ベン・ブラッドリーは、残りの文書を独自に入手し機密文書の全貌を公表しようとする…。 社会派ドラマ。
- 2018/04/21(土) 09:37:33 |
- 象のロケット
メリル・ストリープとトム・ハンクスが共演し、スティーヴン・スピルバーグがメガホンを取った社会派ドラマ。実在の人物をモデルに、都合の悪い真実をひた隠しする政府に対して一歩も引かない姿勢で挑んだジャーナリストたちの命懸けの戦いを描写する。『コンテンダー』などのサラ・ポールソンやドラマシリーズ「ベター・コール・ソウル」などのボブ・オデンカークらが出演。脚本を『スポットライト 世紀のスクープ』で第8...
- 2018/04/21(土) 18:31:36 |
- 映画に夢中