『君の名前で僕を呼んで』

~あらすじ~
1983年夏、北イタリアの避暑地で家族と過ごす17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)は、大学教授の父が招待した年上の大学院生オリヴァー(アーミー・ハマー)と出会う。一緒に自転車で散策したり泳いだり、読書したり音楽を聴いたりするうちに、エリオはオリヴァーに恋心を抱く。やがてその思いは通じるが、夏の終わりが近づくにつれてオリヴァーが避暑地を去る日が近くなり……。
(シネマトゥデイ引用)
☆☆☆☆☆☆☆☆(85/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
『胸騒ぎのシチリア』や『ミラノ、愛に生きる』のルカ・グァダニーノ監督最新作。
イタリアの中堅映画監督ですが、すんません、今作が初見になります。
アカデミー賞で脚色賞を受賞するなど、海外での超絶評判に加え、男性同士の一夏の恋に対する予告編での爽やかさのギャップに、めちゃくちゃ楽しみにしていた作品です!
本作は、アンドレ・アシマンの同名小説を映画化。
その中でも、今作で前半部分までしか描かず、リチャード・リンクレイター監督のビフォア・シリーズ(大好き!)のような後編の構想があるとの事。
そしてその二部構成化の意味、ここで切った意味が、本作を見ればビシバシ伝わってる、そんな素晴らしい映画に仕上がっています。
舞台はイタリア。
17歳のエリオの元に、年上の学生オリヴァーが留学してきた所から始まります。
学問に通じ、自由奔放な大人オリヴァーが気になるエリオ。
芸術に秀で、危うさと幼さの残るエリオに対して距離を置くオリヴァー。
一夏という非常に限られな中、
惹かれあいながらも距離を図るもどかしさと、惹かれ合う瞬間でのエモーションの爆発、そして終わりへの儚さ...
本作は、そんな終わりが決まっている青春の恋愛モノとして、過不足なく素晴らしく構成されています。
前述の二部構成としたのも、前編ではその要素を全面に出す為で、その選択は大正解なのではないでしょうか!?
そんなプロットは、男性と女性の異性間恋愛に置き換えても成り立ちます。
というより、それが普通のアプローチだとおもいます...
それこそ、『ビフォア・サンライズ』のように。
しかし、本作のような強烈かつ爽やかな印象を残せるかは話が別です。
本作は、男性たる行為や、男性同士のベットシーンなど、多くの描写が恋愛の本来の姿を生々しく捉えており、非常に大きなインパクトを与えます。
グァダニーノ監督の離れ業は、それを「どう」映すか。
[ティモシー・シャラメとアーミー・ハマーの奇跡のハーモニー]、[青い空、青い湖の北イタリアの風景]、[人物造形や風景とマッチしたピアノ音楽]、そしてそれらを丁寧に丁寧に紡ぐ事で映像から煌びやかさが浮き上がってきます。
生々しく素手で絞った、フレッシュな果汁のような...
刹那の恋愛の青々しい美しさと、男性間だからこそのインパクトを両立した、凄まじいバランスの映画なんです!
そして極め付けは、ラストのある人物の言葉。
詳しくは書きませんが、喜びも痛みも苦しみも全てを否定する事を否定する言葉が、[君の名前で僕を呼んで]と彼が言った真意と重なり、この映画のラストとして映画を1段も2段も深いものにします。
思い出すだけでも、涙が込み上げてきた...
最高な劇場体験ありがとう!!
続編、楽しみだぁ!!!
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