『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』

~あらすじ~
盗まれたプルトニウムを用いて、三つの都市を標的にした同時核爆発の計画が進められていることが判明する。核爆発阻止のミッションを下されたイーサン・ハント(トム・クルーズ)率いるIMFチームは、犯人の手掛かりが名前だけという困難を強いられる。タイムリミットが刻一刻と迫る中、イーサンの行動に不信感を抱くCIAが放った敏腕エージェントのウォーカー(ヘンリー・カヴィル)が現れる。(シネマトゥデイ引用)
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️(80/100)
夏休み映画の大定番にして、説明不要の娯楽大作。
豪華さやバジェット感だけでなく、作品の出来や面白さという意味で、問答無用で世界最高の娯楽映画シリーズなのではないでしょうか!?
シリーズ6作目となる本作の監督&脚本は、前作のローグ・ネーションに引き続き、クリストファー・マッカリー。
『アウトロー』の監督や、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の脚本など、近年のトム映画には必ず絡む盟友は、シリーズではじめての「続投」となります。
これらの映画を見れば、信頼されてるのは大納得ですね。
今更ながら、MIシリーズについて少し。
当時大人気ドラマであった「スパイ大作戦」をリメイクし、ハリウッドのアイコン的存在になりつつあったトム・クルーズを主人公にすえることで、1996年に始まった映画シリーズです。
当初なかなか方向性が定まらなかったこのシリーズを、最高の娯楽シリーズに押し上げたのが4作目の傑作ゴースト・プロトコル。
チーム強奪物×スパイとしての面白さを押し出して、この後のシリーズの礎を築いた訳ですが、最大の発明はプロデューサー=トムクルーズによる俳優=トムクルーズの活かし方ではないでしょうか。
ノンスタントの身体を張ったアクションと、ポップに暴走気味なキャラクター描写が相まって、「おいおい大丈夫かよ...!?」という観る側の感情をストーリーに乗せて好循環に高める。
特に、所謂トム走りと、ピンチに身体ごと飛び込む際の表情が最高!
そんな魅力はシリーズ毎に高まっていくのですが、前作でとうとう臨界点に到達してしまった...
と思っていた魅力を、今作は更に数段上のステージに引き上げていきます!
まず間違い無いのは、シリーズ最高密度のアクションです。
タイマン肉弾戦、対集団戦、パラシュート、カー、バイク、ヘリコプター...
それぞれ文字に起こすとアクション映画のお決まりアクションですが、
この密度とバリエーションが驚異的な事に加えて、一つ一つの魅せ方が兎に角フレッシュ。
これは56歳トム・クルーズによる本物のスタントと現代の撮影技術、そしてクリストファー・マッカリー監督のアイデアが可能にした...
現代究極のアクションの連続になっています。
更に、今作はシリーズ屈指の人間臭いイーサンハントの内面描写を調味料に加えており、それが更に「生身の身体のイーサン・ハント」が暴れてるって構図を強調しているのが最高です。
さて、シリーズ初めての監督続投になった今作ですが、前作と鏡像関係な構成になっているのが極めて興味深い所です。
詳しくはネタバレになるので書けませんが...
前作から引き続き登場する女スパイ"イルサ"、敵であった"ソロモン・レーン"、そしてイーサン・ハント、追う-追われる 捉える-逃がすの彼ら3人の関係性が全く反対に展開されます。
加えて、前作のクライマックスと今作のアバンタイトルの対構造からも分かるように、シーンやアクションの劇中の立ち位置も意図的に反転した構成になっています。
このように、視覚的な映画の魅力は大傑作の映画ですが、アクションや見せ場から逆算して作られた映画な為に、その分前作以上に脚本、ストーリーの交通整理に大きな穴を開けているように感じます。
何がどう展開してるのか状況が把握できず、モヤモヤしてる中で、それを力技の超ド級アクションと映像的説得力に満ちた「実はこうでした」な展開で黙らせる...
そんな印象です。
とはいえ、私も物語の整合性めちゃくちゃ楽しめた訳ですけどね。
現代最高の娯楽アクション映画である事は間違いなし。
こんな映画を見せてくれるトム・クルーズ。
やっぱり、皆トム・クルーズの垢を煎じて飲むべきですよね。
おススメです!!
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