待ちくたびれたぜ!!!
『ターミネーター:新起動/ジェニシス』

~あらすじ~
時代は2029年、ロサンゼルス。1997年の機械軍による核ミサイルで30億人もの命が奪われた「審判の日」以来、スカイネット率いる機械軍に人類は支配されていた。しかし戦況は徐々に好転、ジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)率いる人類抵抗軍が戦いに終止符を打とうとしていた。
一方敗戦を予期した機械軍は、ジョン・コナーを生んだ母サラ・コナーを亡き者にすべく、1984年にT800ターミネーター(シュワルツェネッガー)を送り込む。
ジョン・コナーは自ら経験した、「部下のカイル・リース(ジェイ・コートニー)がサラ・コナーを助けた過去」を作り出すため、カイル・リースを1994年の同日に送りこもうとするが・・・・
☆☆☆☆☆☆(65/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
~帰ってきたターミネーター~
超人気シリーズの約6年ぶりの新作!!!
「I 'll be back.」
もはやギャグにしか聞こえないこの言葉。
でも、でも・・・・待ってました!!!
個人的な過去作へのスタンスは・・・
1984年に公開された1作目。
当時ですら低予算でありながら、2015年の今見ても、めちゃくちゃ面白い。
未知の機械生物が追ってくる。しつこく、しつこく、しつこく・・・終始漂う不穏感。機械の冷酷さ。
対する人間の武器は、未来からやってきた男の愛のみ。
この関係性と、物語として完璧に着地するタイムループ構造が絡まり合った大傑作。
1991年に公開された2作目は、自分にとってオールタイムズベストの一本。
画的にカッコよいのはもちろん、T1000のフォルム変化と冷徹さ、
友達・父親化していく胸熱展開、ターミネーターの人間性の獲得、
それらを強調するわずかな言葉づかいの変化、
運命を背負う悲痛さと、液体金属だからこそのフレッシュな戦闘。
そして名言をあえて言わないラスト。
脚本、演出、配役、すべてにおいて完璧すぎる。。。。
続く3作目、4作目に関しても、面白くない訳ではない。
しかし、監督がジェイムズ・キャメロンじゃなくなってからは、
ターミネーターの特性を最大限活用したフレッシュなアクションが激減。
派手なカーアクション等が増え、一体何を見ているのか・・・と思う事も。
一方で、2のジョンの今後に関する不安への完璧すぎるアンサーや、
スカイネットの扱い方、小道具の使い方は決して嫌いではない。
そして今作、新起動。
ジェームズ・キャメロンは今作を「真の3作目だ!!」と大絶賛!
おっ!と思い予告編を監視するが・・・
ネタ気味に発射する「I 'll be back.」に意気消沈。
このそもそもギャグに聞こえてしまうセリフを、カッコよく見える作品を期待してたのに!!
~1の続編にして新起動!!~
ターミネーター1では、1984年にサラ・コナーがターミネーターに襲われた所を、
未来から来た謎の男カイル・リースに救われる展開から始まるが、
今作は、そのプロットをカイル・リースの視点で、
つまり2029年からジョン・コナーによって送りこまれる所から始まる。
審判の日は1997年に起こった事になっており、サイバーダイン社は存在するから、
おそらくターミネーター2は起こっていない時間軸、ループの中の話だろう。
ジョン・コナーの思惑としては、カイルを過去に送り返す事で、
自分の経験してきた過去(つまり1の世界)を作り出し、
ループを完成させるはずであった・・・・
しかしカイルの着いた世界は、ジョンから聞いていた物とは僅かに、しかし決定的に違う・・・
サラ・コナーが戦士として年老いたT800ターミネーター(シュワルツェネッガー)に
育てられている世界であった。
あの1の世界の裏側を追体験するだけで相当楽しい上、
それが僅かにずれ始めるのだから、冒頭からざわざわが止まらない。
新起動ってそういう事か!!
もちろんこんな作りだから、自然な形でのオマージュに溢れている。
モヒカン野郎のやられ役っぷりや、1のあの警官が実は・・・や
「命が欲しけりゃ、乗って!!」の使い方。
2を彩った、「殺してはいない」も痺れる。
とにかく・・・
ターミネーターファンとしては最高なまんま展開やオマージュのオンパレード。
ターミネーターシリーズで成功と言われている2作は
ターミネーターと人間の関係性が、印象的に描かれているように思う。
1作目では、全くの対象として冷酷に描いているし、
2作目では、機械と人間の間の、変化していく(ように見える)関係性を描いている。
そして、今作でもその更に先を・・・非常に印象的に描いている。
長い年月を経て関係性を築いたサラ・コナーとT800。
もちろん、T800からしたらプログラムで守っているだけかもしれない。
しかし、T800は常に近くにいた。自分を優しく守り、色々教えてくれた。
動作原理にどのような違いがあれど、
親的な存在として見出していくには十分すぎるだろう。
そしてその行く末は・・・・
序盤、年老いたターミネーターT800と、1のフォルムのままのターミネーターT800が戦う。
T800は再三言う。
「古いが、ポンコツではない・・・」
序盤はネタでしかないこのセリフを、終盤で言う時、
まさか、ターミネータ-に家族の愛を感じ、胸が熱くなるとは・・・
また、これをシュワちゃんが言っているという点でも深みが増す。
最終的に作品の時代も含めて、
現在のあるべき姿に落とし込んだという意味でも、新起動なのかもしれない。
今作の宣伝で「大どんでん返し」をうたっているくせに、その内容は予告編でばっちり描かれている。
しかしそれはまだ良い。
何故なら、いくら隠されても、別にすげえ!とはならない作りだから。
この映画への不満の本質は、
メイン級で出てくるターミネータ-達のほとんどが、
どの次元から、どの時間帯から、何の目的を持って現れたのか、
ほとんど語られないから、何でもありに見えてきて、
ぶっちゃけ内容がどうでもよくなってくる。
もちろん、それは次回作以降で明らかになるのだろうが、(ならなければ余計ひどい・・・)
あまりにもタイムパラドックスに絡む要素が見えてこなくて、一つの映画としてどうなんだろというレベル。
他にも不満は多々。
ジョンの思想は理解できるものでないし、
よく分からない事でメイン二人はもめてるし、
アクションも特に目新しさはない。
面白い!と感じる所が多いのに、記憶に残らない作品になってしまうだろう。
結局、何が言いたいかと言うと・・・
サラ・コナーを演じるエミリア・クラークが可愛すぎる!!!
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