傑作『クリード チャンプを継ぐ人』の続編!
『クリード 炎の宿敵』

~あらすじ~
ロッキー(シルヴェスター・スタローン)の指導を受け、ついに世界チャンピオンになったアドニス(マイケル・B・ジョーダン)に、リングで父アポロの命を奪ったイワン・ドラゴの息子ヴィクターが挑戦状をたたきつける。ロッキーの反対を押し切り、父のリベンジを誓い試合に臨んだアドニスは、ヴィクターの反則行為によって勝利する。しかしアドニスは、ボクサーとしてその結果に納得できなかった。(シネマトゥデイ引用)
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ ⭐️⭐️⭐️(80/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
○まずは作品について
『ロッキー』シリーズの後継として2015年に公開された『クリード チャンプを継ぐ男』の続編。
前作はロッキーシリーズのレガシーに終始する事なく、しっかり前に進める物語とそこに籠る熱量に圧倒され、「クリード」物語の序章として大傑作でした。
その続編として、一時はスタローン自ら監督をするという噂がありましたが、この作品の精神と逆を行くという事で降板。
最終的には長編デビュー作となるスティーヴン・ケープル・Jrが監督に大抜擢されました。
スタローン、流石分かってるな~と感服してます。
主演のクリード・アドニスを演じるのはマイケル・B・ジョーダン。
前作以降に、ブラックパンサーで敵役のキルモンガーを演じるなど、今ノリに乗ってる俳優さんです。
また勿論、前作同様にクリードのメンター ロッキーとしてスタローンが、難聴のボーカルヒロインとさてテッサ・トンプソンが出演。
そして、アポロ4での因縁の敵ドラゴを旧シリーズ同様にラルフ・ラングレンが、クリードに立ちはだかるその息子ヴィクターをフロリアン・ムンテアムが演じます。
○ここから感想(ネタバレなし)
スタローン曰く「新世代の物語」とするこのシリーズ。
『ロッキー4』にて、クリードの父アポロを試合で殺し、ロッキーにリベンジされたドラゴの息子と、そのロッキーの弟子にしてアポロの息子アドニス・クリードの対決。
旧シリーズのファンサービスに終始してもおかしくない題材ですが...
今作はロッキー4のドラゴ戦を引用しながらも、主題はクリードの成長物語にあり、そのクリードの物語にこそ感動が詰まっている素晴らしい作品になっています!
そもそも、『クリード チャンプを継ぐ男』が『ロッキー1』と重なるのであれば、本作は『ロッキー2』同様チャンピオン戦なるまでを描くべき所、その過程は非常にあっさり。
本作の物語はチャンピオンになった後にあり、ロッキーシリーズで言うならば、ずばり『ロッキー4』に重なります。
その『ロッキー4』では、アポロの死とリベンジ戦がメインストーリーでした。
今作も同じく、父を失ったアドニス・クリードと、仇討ちを受けて未来を失ったドラゴ親子のリベンジ合戦になっています。
つまりは『ロッキー4』のキャラクターが大きく交差するだけでなく、シリーズにおける立ち位置も全く重なる訳です。
しかし... 全く違うのは、そこにある物語です。
ロッキー4では、シリーズの旨味を駆使した上で、最短経路でトレーニングから試合へ向かう、上がる要素だけから成り立っている映画でした。
一方で本作は、クリードが人生の新たなステージで成長する姿が軸となる物語になっています。
そしてその軸の背後で、交差するキャラクター達、つまりはロッキーやドラゴ親子の物語も、映画の前と後で大きく前進しているのです。
過去を払拭する為に戦うクリード。
未来を守る為に逃げるロッキー。
そのどちらでもない「戦う理由」に行き着く時、ボクシングでの「勝者のロジック」が芽生えて、クリードやロッキー、そしてドラゴ親子の三様が人間としても成長する。
「勝者のロジック」と、「キャラクターの成長」が重なり、それぞれの人生を前に進める。
その演出も抜群で、象徴する「彼女の歌」の演出は予想の斜め上から飛んで来て、号泣しました。
成長と勝者のロジックの切り口、
作品としてのモチベーション、
更には映画に対する作り手の布陣
あらゆる層において、未来に向かうメッセージに集約されているからこそ、この映画はパワーが漲る作品になっています!!
おススメです!!
ランキング登録しました。
気に入っていただけた方は、下記クリックをお願いします^ ^

にほんブログ村

映画ランキングへ

