『蜘蛛の巣を払う女』

~あらすじ~
凍てつく冬が訪れたストックホルムで、天才ハッカーのリスベット(クレア・フォイ)に、人工知能研究の権威バルデル博士から依頼が舞い込む。 その内容は、彼自身が開発した核攻撃プログラムをアメリカ国家安全保障局から取り戻すというもの。彼女の能力からすればたやすい仕事だったが、これは彼女への復讐(ふくしゅう)をもくろむ生き別れた双子のカミラ(シルヴィア・フークス)が仕掛けたわなだった。
(シネマトゥデイ引用)
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️☆(75/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
○まずは作品について
『ドラゴン・タトゥーの女』の続編!?
原作はスウェーデンで大ベストセラーとなった小説「ミレニアム」シリーズ。
2000年代中盤にスティーグ・ラーソンによって執筆された三作と、その後15年に続編としてダヴィド・ラーゲルクランツが執筆した「蜘蛛の巣を払う女」の計四作からなります。
そのシリーズ原作を最初に映像化されたのは、リスペットをノオミ・ラパスが演じたスウェーデン版の「ミレニアム」3部作。
これはティーグ・ラーソン原作の3作を対象にした映画化で、全世界で大きな話題となりました。
その3年後の2011年にハリウッドで『ファイト・クラブ』や『ソーシャルネットワーク』の鬼才デビィッド・フィンチャーによって、原作の1作目をリメイクされたのが『ドラゴン・タトゥーの女』。
フィンチャー節の真骨頂が詰まった作品で、ダークで鮮烈なビジュアルと、ルーニ・マーラ演じるリスペットの強烈なインパクト、原作よ猟奇的ミステリーが抜群に噛み合った最高な作品でした。
そのハリウッド版の二作目として発表されたのが、小説としては四作目となる「蜘蛛の巣を払う女」の初映画化。
前作監督のフィンチャーは製作総指揮に回り、監督を務めるのは『ドント・プリーズ』のフェデ・アルバレス。
キャストも一新し、天才ハッカー リスペットをクレア・フォイ、記者ミカエルをシルヴィア・フークスが演じます。
また、リスペットの過去の関わる謎の女性を、シルヴィア・フークスが演じてます。
○ここから感想(ネタバレなし)
天才的ハッカー「リスペット」の謎の人物像が、作品のミステリーと同調していた前作。
リスペットに対しての強烈なインパクトが、非常に大きな魅力であり、只ならぬ雰囲気を終始醸し出していました。
そんな中で、記者のミカエルが狂言回しとして立ち回る事で、観客はミカエルの立場として、リスペットの奇天烈なキャラクターと猟奇的ミステリーの顛末を目撃するという、絶妙なバランスで楽しめる映画でした。
本作は一転、彼女の生い立ちがサスペンスの一部に取り込まれている事で、謎が解き明かされるに連れて「リスペット」に対する距離感が近くなって行く所に、映画としての魅力がとじ込まれています。
リスペットが、何故男性の犯罪を徹底的に制裁し、弱者としての女性を救済するのか。
キャラクターに対する印象が強烈な程に、有機的に機能するのは間違いない作りので、前作から間を置かないタイミングで同じ製作陣で作られていたら...更に面白く機能したのになと、少し残念な所はあります。
とは言え、
リスペットの強烈なパーソナルを、サスペンスと共に解き明かして行く...みるみる惹きつけられていきます。
またこのシリーズの特徴であるビジュアル面も非常に洗練されています。
雪山を中心に展開されるビジュアルは大好物で、しかもそこで展開されるより強度を増したアクションは最高でした!
一方で前作と比較してしまうと、魅力を表面化した分、猟奇さや不穏さはありつつも、その尖り方は薄くなっています。
更には、前述したリスペットの扱いの変化から、キャラクターの強度も落とされた事もあり、印象が残りにくい作品になっているのはそうかもしれません。
とは言っても、猟奇的殺人とそこに関与するリスペットの人物造形、更には雪山のビジュアルとアクション、非常にバランスよく楽しめました!
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