シネマ・ジャンプストリート

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☆6『名も無き世界のエンドロール』パズルの様な心地よさ

一日あれば、世界は変わっちゃうんだよ...

『名も無き世界のエンドロール』



~あらすじ~

共に親のいない幼なじみのキダ(岩田剛典)とマコト(新田真剣佑)は、自分たちと同じ境遇にある転校生ヨッチも交えて支え合いながら成長していく。だが、20歳になったときに直面した事件が原因で彼らの人生は大きく狂ってしまう。その後、キダは裏の社会で殺人もいとわない交渉屋として暗躍し、マコトは彼の力を借りながら表の社会で貿易会社社長として成功をつかむ。やがて2人は、10年もの歳月を費やして立てた計画を遂行する。(シネマトゥデイ引用)

6/10★★★★★☆

以下 レビュー(核心のネタバレなし)
『キサラギ』や『ストロベリーナイト』シリーズの佐藤裕市監督によるサスペンス映画。ギタを演じる岩田剛典とマコトを演じる新田真剣佑のW主演。新田真剣佑の銀幕映えは言わずもがな、岩田剛典のサスペンスにおける存在感と立ち回りは『去年の冬、きみと別れて』以来大好きで今作も楽しみにしていました。また本作は、小説すばる新人賞を受賞した行成薫の同名小説が原作になります。

交通整理が気持ちよい!

クライマックスとなる「プロポーズ大作戦」なるものの直前から始まり、そこから遡った二つの時代[遠い過去=青春時代]と[近い過去=社会人時代]を交互に交えながら、再びクライマックスへ向かっていくという手法がとられています。
その中で、間違いなく言葉通りの意味ではない「プロポーズ大作戦」の全貌を大きな謎として含みつつ、[青春時代]でヒントと伏線を散りばめ[社会人時代]で作戦決行に至るまでのギタとマコトを含みを持たせて描いて行きます。
プロポーズ大作戦の全貌と同じく大きな謎となるのが、第三の人物ヨッチの存在です。[青春時代]には登場する彼女が[社会人時代]には登場しない謎。これがプロポーズ大作戦の全貌に大きく関わってきます。このような時間軸を使った謎の提示、伏線の散りばめ、そして回収を、物語自体への推進力を維持したまま進めていく、映画全体の交通整理が素晴らしくその辺りは非常に楽しめまた。
これは、脚本だけでなく、佐藤裕市監督の手腕も相まっての事だと思います。

また、セリフの活かし方も非常にクールです。
「完璧主義者は欠陥品」
「一日あれば、世界は変わっちゃうんだよ...」
「押さなきゃボタンが可哀想だよ」
など、過去のヨッチの印象に残るセリフが物語展開への伏線として機能しているのは、素直にすごいなと思いました。

一方で、物語が展開していく要素や動機となる部分が「稚拙」なのが目につき、これは非常なや残念でした。正直、「そんな事には絶対にならない」と突っ込む所は多いのかなと思います。
ただ一部言われている「彼のクライマックスの行動」は個人的には稚拙と全く思わないし、動機付けするある一言を含めて、むしろ共感し、突き刺さる物がありました。

ただ、役者陣は良かったです。中でもネタバレになるので言えないのですが...中村アン!!あまり登場場面は多くはないのですが、彼女のキャラクター造形と雰囲気ぐめちゃくちゃ良かったです。


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