シネマ・ジャンプストリート

劇場公開映画を中心にレビュー 映画の良さと個人的感想を。

○75 『ジュラシック・ワールド』これが、ロマンだ!!!恐竜だ!!!

もっとデカイのを!!!もっと歯をー!!!

帰ってきた大人気シリーズ。
『ジュラシック・ワールド』



~あらすじ~
「ジュラシック・パーク」の事件から22年後、パーク跡地にマスラニ社が創設した、毎日20万人来場する世界的な恐竜のテーマパーク、「ジュラシック・ワールド」を二人の兄弟が訪れた。
そんな中、二人の叔母で責任者でもあるクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、更なる驚きを提供する為、研究グループに命じ、遺伝子操作によって新種の恐竜インドミナス・レックスを誕生させる。恐竜の飼育員オーウェン(クリス・プラット)は、その恐竜の知性の高さに驚愕し、警告をするのだが...

















☆☆☆☆☆☆☆(75/100

以下 レビュー(核心のネタバレなし)

~ワクワクしてこその映画~
あの傑作「ジュラシック・パーク」から22年、3作目からは14年ぶりの再スタートとなった今作。
待ちに待ったシリーズ最新作。
結論から言うと...
恐竜好き、ジュラシック・パーク好きには、最高にたまらない作品になっている。

スピルバーグ監督の「ジュラシック・パーク」に初めて触れたのは、小学生の時、友達の家で。
普通の男の子と同じく、恐竜が大好きだった当時だが、鑑賞中は強がることすら出来ずに、
一生見るものか...と、この映画がトラウマになった。

そして初鑑賞から20年。今なら流石に大丈夫だろう。むしろ恐竜の表現が陳腐に見えるんじゃないか....
そんな思いで、最新作の予習として鑑賞してみたが、
要素が色々詰め込まれてる中、完成度がめちゃくちゃ高い事に驚き。今見ても恐竜の表現に違和感が無い所か、怖い、怖い、ラプトル怖すぎる....
冒頭からワクワクするし、癒されるし、ジリジリ不穏感漂うし、恐怖を被せて煽るし、子供だけでなくいつの間にか大人も成長してるし、自然淘汰の哲学思想も内在する。
そして、最後めちゃくちゃカッコ良いし!!!
改めて、スピルバーグの凄さを再確認した。

そんなハードルが上がりきったシリーズの最新作を監督したのは、新人のコリン・トレボロウ。
彼が仕上げたこの映画、決して穴が無い訳ではない。それどころか、かなり多い。
しかし、それがむしろ魅力にすら感じる。
現在の良い映画とする条件に反して、人があまりに表面的にしか見えてこない。漫画的なんだが、おそらくこれはワザとやっている。
一つのキャラクターとして描く方が、創られた世界観を堪能できて、ワクワクするでしょ?と言わんばかりに。


具体的にはまた後で触れていくが、ワクワクさせる為に抑えるべき要素を徹底的に抑えている。
一作目より怖さに関しては劣る(それがより一作目の凄さを強調しているが...)。
しかし、
この新人監督は、ファミリームービーとして、俺達が懐かしむ昔ながらのあの大好きな映画として、最高の仕事をしてくれた!!!


~これが、ジュラシックパークだ!!!~
冒頭からもう...もう...ワクワクが止まらない。
兄弟が、初めてジュラシック・ワールドの門をくぐった瞬間、カメラが少しずつ引いていき、人と自然にあふれたパークがスクリーン全体に映し出される。
そして、同時に流れ始める、あのテーマソング!!
待ってましたー!!!これ!これ!!これ!!!
初めてディズニーランドに訪れ、音楽が聞こえ始めた時の感覚に近いワクワク感。
それと同時に、一作目のジョン・ハモンドの願いがついに叶ったのかという感動も...
序盤からすでに、涙が出そうになる。

作品が進むにつれて感じるスピルバーグ監督への愛、ジュラシック・パークへの愛。
一作目の懐かしい車や道具を使う展開もある。

子供達を中心におき、何かしらの愛情に欠けた大人が近くにいる。今回ならクレアの役所。
強力な父性への憧れを持つスピルバーグは、その役目をよく男性に背負わせるので、その点は異なるが、物語の大枠はほとんど同じだ。

そのスピルバーグが発明した、ジリジリした恐怖演出。
くるぞ...くるぞ...くるぞ....ドーン!!!
あぁ、今、俺、劇場で、ジュラシック・パークを見てるんだな...



~愛すべき恐竜達~
今作のメインの敵は、禁断の人工恐竜インドミナス・レックス。こいつが脱走する事で、物語は急速に加速する。
一般的に肉食動物は、満腹時は身の危険がない限り、他の生物は襲わない。しかしこいつは違う。
知性があり、殺しを楽しんでいる。
人が自然をコントロール仕切れる事は決してないが、
自然に反して産まれた生物は、自然生物の道理すらも無視する。

他にも恐竜は多数登場する。
草食恐竜では、
長い首のアパトサウルス(大好き)は一作目同様超癒してくれるし、
固い甲羅のアンキロサウルスは、威嚇する犬のよう。
ガリミムスの疾走は最高に気持ち良いし、
トリケラトプスは、乗りたくてたまらない...

翼竜のプテラノドンやディモンフォドンはパークにいる2万人の来場者をピンチに貶める?上から襲う歯が怖さたるや...

最恐巨大海洋爬虫類のモササウルス。とにかく...でかい!
こいつの迫力映像がフレッシュで、物語にも素晴らしい形で関わってくる。

一作目でメインの敵になっていた、知能の高い小型肉食恐竜、ヴェロキラプトルは今作もメイン級。
オーウェンは、ラプトルと信頼関係を築こうとするが...
ラプトルに集団で襲われると
生きたまま内臓をえぐられる。最もリアルに怖い。

そして、みんなのアイドル肉食暴君、ティラノサウルス・レックスは....
劇場で観てくれ!!!

全ての恐竜の質感、迫力が、素晴らしすぎる。やはり劇場で観てなんぼ。

また、最新の研究で有力となったティラノサウルス羽毛説や、翼竜は人を襲わない等、映画では実際の恐竜の生体とは異なっているかもしれない。
しかし、そんな恐竜を見たいだろうか??
皆が見たい恐竜が、皆が見たい形で暴れるから、ワクワクする!!


~熱い、熱すぎる~
一作目のラストは、映画史に残る胸アツ展開だったが、今作も決して負けていない。

オーウェンがラプトルと並走するシーンは、こんなの見た事ないレベルの格好良さ。
予告編で見ているのに!!
思わず、劇場でニヤニヤしながら、前のめりになってしまうに違いない。

そしてなんといってもラストの展開。
当然、ここではだんまりだが、確実に言えるのは、
このシーンの為だけにでも、絶対に見にいくべき!!!!
正直無茶苦茶な展開に見えるが、画面の力、格好良さが半端ないから、そんなツッコミなんてどうでも良い。

ヤツとヤツとヤツ、もう皆最高だよ。


~粗はいっぱいある~
しかし、この映画、突っ込み所はもちろん、物足りなさも多いにある。

分かりやすいキャラクターとしておくのは良いとしても、そんな人は流石にいないだろ...となってしまうのはやり過ぎ。
特に、お兄ちゃんの行動と、パークの警備体制を乗っ取ろうとする軍のおっさんの行動原理。

恐竜の格好良さ、可愛いさ、気持ち良さを味わいたいのに、兄弟が家庭の話で落ち込み出し、停滞するのも勿体無い。
そこで家族の話とか...後ろ、可愛い恐竜いるんですけど!何で君たちテンション上がらないの???
恐竜が見たいんじゃー!家でやれや!!!

パークの司令部の違和感も異常に多い。
警備体制の責任者が、真っ先に出てったら、誰が仕切ってるの??
警備体制...なんか、俺がやるから!!って一言でヌルっと乗っ取られてるけど??

他にもインドミナ・レックスの風防が、ティラノサウルス・レックスに似すぎてて、インパクト弱いとか、
物語を止める唐突なギャグ何なの..,とか。
哲学的なテーマや、畳み掛ける恐怖感、大人の成長を前に出してないのに最後には...な展開は一作目より縮小してしまってる。


残念と、目につく所は確かに多い。
しかし、この映画の面白い所、熱くなる所、ワクワクする所、震える所に比べると、ちっぽけに見えるのは間違いない。
加点方式だと、100億点だ。
夏休み、真っ先に見るのはこの映画でしよ!!!



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  1. 2015/08/06(木) 21:00:04|
  2. 2015年公開映画
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