『まともじゃないのは君も一緒』

~あらすじ~
予備校で数学を教える大野康臣(成田凌)は、独身で恋人もいないが、結婚願望は持っていた。しかし、女の子とデートをしてもコミュニケーションがうまくできない。康臣は自分のことを普段から「普通じゃない」と言う教え子の秋本香住(清原果耶)に、どうしたら普通になれるか教えてほしいと頼み込む
(シネマトゥデイ引用)
7/10★★★★★☆☆
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
成田凌と清原果耶をW主演に迎え、『婚前特急』や『わたしのハワイの歩きかた』などの前田弘二がメガホンを撮る。
曖昧を理解できない風変わりな予備校講師と普通の同級生に呆れる女子高生が、女子高生が仕掛ける恋愛強奪大作戦を通して「普通」とはなにか?を我々に問う一作。
まず、成田凌演じる予備校講師のこじらせ過ぎたコミュ症理系男子感が滑稽な所に、清原果耶演じる女子高生が苛立ちながらも引っ張って行くという構図を、2人だけの空間に極端に閉じた世界観で描かれており、風変わり感と掛け合いの空気感をめちゃくちゃ愛おしく感じられます。
会話の中の曖昧さを理解出来なかった予備校講師が、女子高生の恋愛大作戦の一環として転がされる中、ある女性と意気投合する事で話は転換していきます。
それまでコミュ症っぷりを発揮していた彼のあまりの変化度合に「ご都合的にキャラクターを曲げて強引」なんて思っていたら、そんなの百も承知で、「論理を凌駕する感情の存在」として逆に上手くストーリーに活かされていく所が、非常に秀逸でした。
「普通じゃなくて良いじゃん」への着地は既定路線も、「普通ではない」所から、「普通」をトライして「普通」のカップルに挑み、「普通の違和感」が見えてくる... ジャンルは違えど『すばらしき世界』に通ずる所があり、そんな構成が良く出来ています。
一方、この映画は2人の空間に閉じた話ではあるんでが、一歩外から強奪される側のカップル(特に彼女)目線で見ると、小娘かき回し感が出てて、ずっとこれが引っかかる。
ただ!小泉孝太郎の口だけ薄っぺらい感が、めちゃくちゃ最高でした!
最後の余韻も良く、ずっと見ていたい作品です。
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