『パーム・スプリングス』

~あらすじ~
砂漠のリゾート地パーム・スプリングス。花嫁の介添人として結婚式に出席したサラ(クリスティン・ミリオティ)は、そこで出会った不思議な雰囲気の青年ナイルズ(アンディ・サムバーグ)とロマンチックなムードになるが、突然ナイルズが謎の老人(J・K・シモンズ)に弓矢で襲撃される。近くの洞窟へ逃げ込んだ彼を追うサラは洞窟内で強い光に包まれ、目覚めると結婚式当日の朝に戻っていた。状況を飲み込めない彼女がナイルズを問いただすと、彼は数え切れないほど同じ日を繰り返していると話す。(シネマトゥデイ引用)
8/10★★★★★☆☆☆
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
昨年から本国で話題になっていた一作。監督はこれが長編映画デビューの超新星マックス・バーバコウ。タイムループにハマって同じ日を繰り返す2人を、『セレステ∞ジェシー』などのアンディ・サムバーグと、ドラマ『モダン・ラブ ~今日もNYの街角で~』などのクリスティン・ミリオティが演じる。また、謎の老人役で俺たちのJKシモンズも出演する。
また出た!傑作タイムループ映画!
先日Amazon primeで配信された『明日への地図を探して』もタイムループ映画の傑作でしたが、本作も負けていません。Netflixにて配信が始まった短編映画『隔たる世界の2人』も傑作だし、こんな短期間にタイムループ映画の傑作が頻発するってどういう事?
本作は主人公のナイルズがタイムループしている一日の中に、もう1人の女性サラが巻き込まれていく所から展開していくのですが、その冒頭からまあ面白い。結婚式の参列者であるナイルズは、式の中で格好や振る舞いが明らかに浮いていて、そのタイムループめちゃくちゃこ慣れ感からニヤニヤしてしまう上、その流れでサラを周りの動きを先読みして口説くシーケンス、そしてサラがその世界に入ってしまうまでの驚きの展開含め、サラの目線に近い形で何万回繰り返されただろうタイムループの1ループに出くわす感覚が最高でした。
それ以外にも、タイムループ物として間違いない旨みが、90分という時間の中に詰まっています。
異空間を自分達なりに謳歌する描写をこの手の映画で求めてしまうのですが、「どうせリセットされるんだったら好きな事をやっちゃえよ」とばかりに、『明日への地図を探して』と比べて下ネタありの大人な遊びに走るあたりも、最高でした。
また、今回のストーリーの中心が結婚式の主役ではなくて脇役で、人生の苦味を知った大人たちってのが、うまく活きてました。特に、サラには終盤まで隠されるある事情があって、それがまたたまらないんですが...タイムループ空間だからこそ気がつく恋愛観にまつわる2人それぞれの成長が、意味を持ってタイムループからの脱出に繋がる展開も、素晴らしかったです。
また異色な存在であるJKシモンズも良いですよね。作品のアクセントになってるのはもちろん、この映画の主人公2人では語れない「時間を刻む日々の尊さ」という視点は、彼がもたらしてくれます。
カリフォルニアのリゾート地パーム・スプリングス舞台立てと、映像のオシャレさ、ポスターのまとを得てる感じ...
みんな好きでしょ!
タイムループ映画としての旨味を、最大限に取りこぼしなく表現された一作。
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