シネマ・ジャンプストリート

劇場公開映画を中心にレビュー 映画の良さと個人的感想を。

☆7『BLUE/ブルー』諦めの悪い男たち

大好き吉田恵輔監督×ボクシング映画

『BLUE/ブルー』



~あらすじ~
大牧ボクシングジムに所属する瓜田信人(松山ケンイチ)は、人一倍努力するも負け続きのボクサーだった。彼の後輩で日本チャンピオン目前の小川一樹(東出昌大)は、瓜田がひそかに好意を寄せる天野千佳(木村文乃)と交際し、全てを手にしたかに見えたが、脳の病が発覚し引退を迫られる。ある日、女性にモテたいという楢崎剛(柄本時生)がジムに現れる。
(シネマトゥデイ引用)

7/10★★★★★☆☆

以下 レビュー(核心のネタバレなし)
『ヒメアノ~ル』『犬猿』『さんかく』などの吉田恵輔監督の最新作!
『聖の青春』などの松山ケンイチ、『寝ても覚めても』などの東出昌大、『俺たちに明日はないっス』などの柄本時生、『ザ・ファブル』などの木村文乃らが共演する。

吉田恵輔監督の最新作!
映画のタッチとしてはコミカルさを内包しつつも、人間の嫌な所や弱さ、そしてそれによる愛おしさや時には気まずさまで描く事に長けた、日本で3本の指に入る大好きな監督です。

本作の中心は、諦めの悪い三者三様のボクサーです。
才能に恵まれない事を目の前に突きつけられながらも前を向き周囲にアドバイスする瓜田、そんな彼に才能を見せつけビッグチャンスを掴みながらも病気の陰がちらつく小川、そして不純な理由から門を叩き次第にボクシングに魅了され始める楢崎。
そんなステージが異なるんだけど、諦めの悪さだけは共通する三人のボクサーに対して、彼らの人生の一部を切り取りながら、強さ弱さ正しさ間違い含め、寄り添いながら魅力的に描いていく流石吉田恵輔監督という作品になっています。

そんな中でも、個人的に松ケン演じる瓜田に共感を隠し得ません。自分の才覚に気づきながら、試合の度に突きつけられながら、そして他人に揶揄されながら、気丈に振る舞い助言を送る。彼自身悔しさが無いわけないのですが、ある意味では悔しさを見せない事がプライドを保つ唯一の手段でもあったりするし、一方でその感情を周囲にポジティブに還元できる強さでもある。彼の背中が語る複雑な感情に心が締め付けられ、それに対して行動で示す強さに凄まじくカッコ良さを感じました。

さらに、木村文乃演じる千佳の立ち位置も良かったです。背景として恋愛要素も機能しており、それぞれのキャラクター性をうまく強調していました。
加えて、千佳自身の感情も複雑で、彼氏である小川に対しての「辞めて欲しいけど...」という感情も、幼なじみの瓜田の多層的な感情への理解も、彼女の視点と重なって見えて来るといった風に、観ている側の感情を乗りやすくする役目を果たしていました。

また、ボクシングって映画と相性が非常に良いんだけど、本作の使い方は凄い特殊な使われ方をしています。試合に向けたトレーニング盛り上がりと、試合の爆発って要素は無くはないんだけど、それはゴールではなく3人それぞれの別の転換点として描かれる。だからこそ、試合を通して感じる感情は、三人分の歓喜と辛さが入り混じってる、複雑で感慨深いものになります。

三人のボクサー人生の一部を愛おしく切り取った良作、オススメです!


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  1. 2021/04/25(日) 22:30:57|
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