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△60 『進撃の巨人 ATTACK on TITAN』 こんなの初めて~~!?

進撃するモンスター達...

日本特撮映画の転換点!?
『進撃の巨人 ATTACK on TITAN』



~あらすじ~
約100年前、突如現れた巨人達の襲撃により、人類の大多数は死に絶えた。襲撃から身を守る為、人類は高い壁を建設し、その中に閉じこもる生活を続けていた。
ある日エレン(三浦春馬)は、噂でしか聞いた事のない巨人に怯え、閉じこもっているだけの現実に不満を持ち、ミカサ(水原希子)とアルミン(本郷奏多)と共に壁の外に出ようとする。しかし、突如壁の高さを超える巨人が現れ....














☆☆☆☆☆☆(60/100

以下 レビュー(核心のネタバレなし)

~世界に向けて~
諫山創の大人気漫画「進撃の巨人」を原作に、
監督には、「日本沈没」の樋口監督。脚本に「ガッチャマン」や「MONSTERZ」の渡辺雄介、日本を代表する映画評論家の町山智浩を迎えて、満を持しての実写映画化。

まず感想を書く前に...個人的な「進撃の巨人」への立ち位置はというと、
原作漫画は10巻までは読破。アニメは見た事がないが、アニメ劇場版の「進撃の巨人 前編 紅蓮の弓矢」のみ鑑賞済み。
そんな勉強不足の状態で迎えた劇場版公開。鑑賞前から賛否両論が飛び交う中、原作からの改変ポイント等と情報は遮断しての鑑賞。
漫画、アニメの映画化と言う事で、身を構えてしまっていたが...

そもそも、映像表現の繋がりで話を盛り上げる映画と、過剰なケレン味で話を盛り上げる漫画では、同じ目的であっても手段が異なると思っている。
漫画と同じ事を映画でしてしまうと、セリフの過剰具合や、漫画的な人物と現実の人間味とのギャップに違和感を抱いてしまう。ようは、バカっぽくなってしまう。
一方で、現実味に寄せすぎると、作品そもそものファンを失望させてしまう。


しかしアメリカのアメコミ物に目を向けると、あちらは圧倒的な映像表現による説得力と、キャラクターの現実路線化で、現在は大成功の道を歩んでいる。
日本では、そこまでの映像表現は出来ない上、「現実世界の中の異」を扱ってるアメコミとは異なり、より「異世界その物」を扱う事が多い為、更に状況は難しい。
そういう意味では寄生獣なんかは、かなり良い題材と思ったのだが...
そんな現実の為か、日本では1対9くらいの割合で、映画化は失敗しているのが残念ながらの実情である。

では、この映画に関してはどう感じたのだが、
ビジュアル表現による現実への説得力は、日本映画では見た事ないレベルで真に迫る物になっている。
その一方で
日本映画の悪い所も、しっかりと引き継いでおり、演出で現実への説得力をもいでしまっている。

しかしこの映画に関しては、出来不出来以前に言及したい点がある。
私たちは、進撃の巨人が人気漫画所以に、その設定になれてしまっているが、
大きい人間が小さな人間を喰い散らす。そんな頭のおかしい(褒めてる)映画が過去にあるだろうか?
こんなぶっ飛んだ映画を、日本が創れるいう事を海外に発信出来る事が何より嬉しい。
そして、それをアピールできるだけのクオリティは担保されている。



~こんなの初めて!!~
壁の中で暮らす人等は、機械を捨て、壁の外への希望は持たず、ひっそりと協力しながらコミュニティーを形成している。
ミカサとアルミンも同じ。しかし、エレンは違う。彼達の世代からすると、「見たことない巨人」は空想の存在。その存在に怯えて、外への希望を語らない周囲に嫌気がさす。

その時点で、エレンの外界への渇望の源が憧れや嫌気だけの点や、ミカサが普通の女の子である点など、漫画版と設定が大きく異なる。
年月が経ったが故の彼らの無知さは、戦争を知らない私達の無知さにも共通するという置き換えが可能になっているなど、かなり現実路線に設定を改変している。

その不満をぶちまけたエレンは、ミカサとアルミンを連れて、壁の外への出ようとする。
しかし...
突如地響きがする...
足音が近づく...
そして、壁の上を見上げると、壁より大きい超大型巨人が、この世の終わりの始まりと共に現れる。
あのポスターに映る超大型巨人だ。

この後、超大型巨人が空けた穴から、大量に巨人が流れ込んでくるのだが、巨人のほとんどがこの超大型巨人のイメージとは異なる。
特殊メイクをした人が演じる特撮映像を、CGで加工しているのだが、人間のルックをしているから生がにじみ出ていて余計に気持ちが悪い。
その人間のルックをした巨人が街中にいる人間を指で掴み上げ、まるで刺身でも食べるかのように、ばくばく食べる。時にはぶちぶちちぎって。
それらの直接描写はないのだが、上から血がぼとぼと落ちてきたり、人間がちぎられる音がしたりするので、グロい映画が無理な人は精神的に耐えられないだろう。
しかし、ここまでやり切ってくれると、帰って気持ちが良い不思議。

そして、巨人は決して容赦しないし、空気を読まない。自然災害や戦争がそうであるように。
個人ではどうしようもならない規模の災害や戦争のメタファーとしたゴジラがそうであったように。
巨人が登場した瞬間に、人類の破滅への道が動き出し、どんなに彼らが喚こうが、泣き叫ぼうが、理不尽に人間は食われるだけ。
良い話の最中でも、セックスの最中でも、小さい子供でも。食われる。

人間の命のちっぽけさや、この世の理不尽さを、人間のルックをした巨人に襲われる事で、突きつけられる。
こんな映画、初めて~!!!!


~数ある不満~
ここまでやりきって、作り手の意気込みが感じられる映画を嫌いになれる訳がない。
しかし、一方でドラマパートの演出が、その意気込みを台無しにしてしまってるように感じる。

これは、日本映画特有のあるあるではあるが、人物が話してる間、物語とまってしまっている。
そのため、「今、そんな事言ってる場合じゃないのでは...」「何故、その人物は突っ立ったまんまなの...」といった突っ込みどころが生まれ、ヴィジュアルで構築した世界観の説得力をぶち壊している。
そして、あまりにもその場その場の、盛り上がり所の為のリアクションしかとらない為、彼ら当時人物や物語の背景には何もないように感じてしまう。
序盤の小屋に大量に逃げ込み、鍵をかけて、助かったー!のシーンなんて、ほんと意味がわからない。

また、ハンジやシキシマのキャラクターがあまりに漫画的で、現実感をそぎ落としてしまっている。
巨人の襲来描写でもたらされる人間の無力感、生命が奪われる理不尽さを現実に突きつけるという今作の成功している箇所がある中、漫画的な良さを残そうとしたドラマパート部があまりにもダサい。

その点は、物語としての駄目さはあるにしろ、「るろうに剣心」の実写化の方が、漫画的な描写と実写による現実味の相乗効果を上手く出せている。

立体起動のCGのしょぼさとか、技術面でも物足りない事があるが、ドラマパートの演出に比べたら全然目を潰れる。


不満をだらだら書いたが、決して嫌いにはなれない。
ここまでやるか...を是非劇場で感じて下さい!



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  1. 2015/08/10(月) 23:04:25|
  2. 2015年公開映画
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