『ジェントルメン』

~あらすじ~
イギリス・ロンドンの暗黒街。一代で大麻王国を築き上げたマリファナ王のミッキー(マシュー・マコノヒー)が、総額500億円に相当するといわれる大麻ビジネスの全てを売却し引退するという情報が駆け巡る。そのうわさを耳にした強欲なユダヤ人大富豪、ゴシップ紙の編集長、私立探偵、チャイニーズマフィア、ロシアンマフィア、下町の不良たちが、巨額の利権をめぐって動き出す。(シネマトゥデイ引用)
7/10★★★★★☆☆
『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』『スナッチ』『アラジン(実写版)』のガイ・リッチー監督の最新作。マシュー・マコノヒーやチャーリー・ハナム、ヒュー・グラント、コリン・ファレルなどの豪華な面々が顔を揃えます。
帰ってきたガイ・リッチー節!大好き!!
大麻ビジネスの所有を巡る、悪いおじさんたちによる争奪戦。
ガイ・リッチーといえば近年の『アラジン』や『シャーロック・ホームズ』なんかが有名ですが、彼の出世作となった『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』『スナッチ』の彼独特の語り口に原点回帰した本作です。
スクープを持ちマフィアをゆすりに行く記者の語りをベースに、それを回想形式で映像に落として進んでいくのですが、「巻き戻し」あり「画角いじり」あり何でもありで、語っている側の視点で編集&再生していく独特な語り口が、うわーガイ・リッチーだな!という感覚がビンビンでまず最高でした。
そんな語り口の中で展開されるストーリーも、ガイ・リッチー感全開なんです。複数のわる~いヤツらが群像的に暗躍し、接点が生じる事で予定外な出来事に発展していく... そんな入り組んだ物語構造を手際良く展開していくのは流石ですし、群像劇の中での予期せぬ出来事から、ストーリーが横滑りしていく面白さと、そこで踊らされる登場人物の間抜けが凄い魅力的な映画になっています。
一方で原点の作品群と違うのが、それら作品では予定外の出来事の「起点になる若い連中」をメインに据えていた一方で、本作は「翻弄される中年」の側の話になっています。
これはガイ・リッチーの映画界での立ち位置の変化をトレースしていて、面白いなと感じました。
「おじさん、ちょっとテンパっちゃったんだ...」「おじさん、丸くなった風だけど本気出すとやばいんだぜ?」
そんな面白さ、好きなシーンもてんこ盛り。
キャラクターの魅力も立ってます。
内心煮えたぎる静かなるドンなマシュー・マコノヒー、優しそう故に実はヤバそうに見えるチャーリー・ハナム、肝の座った小物なヒュー・グラント。
全員最高なんだけど、中でもコリン・ファレル演じるトレーナーが大好き。若いやんちゃなボクサー達の良き師匠でありながら、実は悪事に対しても理由があれば躊躇なくやるというキャラクターがめちゃくちゃ魅力的でした!
ガイ・リッチーだからこそ可能な、独特の語り口による群像エンターテイメント、オススメです!!
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