
~あらすじ~
目を覚ますと、極低温装置の中にいた女性(メラニー・ロラン)。自分が誰なのか、どうして装置内に閉じ込められているのかといった記憶がまったく無いことに、彼女は激しく戸惑う。酸素が次第に減少していることに気づいた彼女は、記憶を取り戻そうとしながら脱出するすべを見つけようとする。
8/10★★★★★☆☆☆
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
『ボーンズ』や『ルイの9番目の人生』など、野心的な作品を手がけるアレクサンドル・アジャ監督の最新作。ほぼ100分独演で治療用ポットに閉じ込められた女性を演じるのは、『複製された男』や『6アンダーグラウンド』のメラニー・ロラン。
目が覚めたら密室の治療用ポットの中。
自分が誰なのか、何故ここにいるのか分からない...そんな中で唯一分かるのは、酸素が無くなりつつある事...
「え...誘拐されて、放置された!?!?」
ポットに搭載されているアシスタントAIとの会話を通し、外部とコンタクトを測って助けを求めたり、自分が何者なのかを調べていくと...驚愕の事実に辿り着いていきます。
そもそもワンシチュエーション・スリラー大好物人間なんですが、この手の映画の肝といえば、いかに緊迫感を引っ張れるか。そういう意味でも、本作は満点に違いんじゃないかと思います。
酸素が無くなっていく状況=タイムリミット設定の中で、信じられる情報が何もないと言う所が非常に上手く活きていて、AIを通して得られる情報や何とか接触出来た人の存在、更には蘇ってきた自分の記憶など、全ての情報の信憑性に疑いを向けられる構成になっており、それによる状況の推理が二転三転する展開に、全く飽きさず引き込まれ続けました。
更に、治療用ポット内という設定も上手く活かされています。酸素が無くなっていく中で、強制治療モードみたいなのが発動されたりして...
痛々しい場面も多々ありながら、タイムリミットに対して入ってくるポット側からの横やりが非常にフレッシュですし、時には合理的故に矛盾ある治療提案なんかしてきたり笑えるシーンもあって良かったです。
この映画自体、当初の「え...誘拐!?」ってところに対して、結末が「そういう話!?」という驚愕の方向に向かって行くのですが、ここではその内容は記載しません。
どれだけ引き込まれ続けたかによって、ポジティブな驚きになるかネガティブな驚きになるか、人によって変わるのではないでしょうか。ちなみに、私は「ヤベェ映画観た!最高!!」とめちゃくちゃポジティブに驚愕の結末を受け入れました。
ただし...
アシスタントに展開上都合の悪い情報を答えさせないなど、ご都合主義的な要素も多い作品なのも確かです。
ですが、個人的にはそんなの気にならないくらい、のめり込みました!
全ワンシチュエーション物が好きな皆さん、オススメです!!
ランキング登録しました。
気に入っていただけた方は、下記クリックをお願いします^ ^


