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☆9『Mr.ノーバディ』87Northが撮る傑作舐め殺映画!

タイトで完璧な92分の舐め殺映画!

『Mr.ノーバディ』



~あらすじ~
さえない中年男のハッチ・マンセル(ボブ・オデンカーク)は、職場では実力が評価されず、家族からも頼りない父親として扱われていた。ある夜、自宅に強盗が押し入るも暴力を恐れた彼は反撃できず、家族に失望され、同じ職場の義弟にもばかにされる。鬱憤(うっぷん)を溜め込んだハッチは、路線バスで出くわした不良たちの挑発にキレて連中をたたきのめす。この事件をきっかけに、彼は謎の武装集団やロシアンマフィアから命を狙われてしまう。
(シネマトゥデイ引用)


9/10★★★★★☆☆☆☆

以下 レビュー(核心のネタバレなし)
究極のPOVアクション映画である『ハードコア』(酔う!)のイリヤ・ナイシュラーが監督を務める本作。ドラマ畑で活躍するボブ・オデンカークが主演を務める他、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドクことクリストファー・ロイドなどが共演する。
注目は、いまやハリウッドアクションの最高峰で、凄いアクション映画のバックボーンには必ず関わっているアクション監督/スタントマン集団の「87 eleven action design」改め、映画制作会社「87North productions」が制作をした本作。『ジョン・ウィック』シリーズなどのデヴィッド・リーチがプロデュース、デレク・コルスタッドが脚本を努めます。

減点なし!加点だらけの最高アクション映画!!

本作はいわゆる、「舐めてた相手が実は殺人マシンでした映画」(byギンティ小林さん命名)。
最短距離でカタルシスを爆発できるフォーマットであり、古くはスティーヴン・セガール主演の沈黙シリーズに始まり、定型的な映画の形を確固たるものにした『96時間』、超几帳面なキャラクターを上乗せした『イコライザー』、スタイリッシュを極め切った『ジョン・ウィック』など、特に近年傑作映画を乱発していました。

そんな中での本作は、「舐めてた相手が実は殺人マシンでした映画」の二番煎じか...?と言われると、最良の意味で「YES!」そして「NO!」と言える作品になっています!

まず、どういう所「YES」なのか。
90分強という尺で、この手の映画に求めている要素が分断に詰められていて、舐められるシーケンスからカタルシス爆発まで、一瞬たりとも退屈する事なく、感情を揺さぶり続ける、そんな映画になっています。
前述した映画とそれに付随する数多くの映画の中でも、最も無駄なくスキなく、フォーマットを完全攻略しているといっても過言ない、その位「完璧な」92分なんじゃないでしょうか。

では、どういう所「NO」なのか。
一つが「舐められ方」がとにかくフレッシュ!
見た目が普通のおじさんっていうのも凄く良い上、守るべき「家族」からの舐められ具合がリアルで最高of最高。彼が「何者か」というのは誰も家族も知らないのですが、それは彼が普通の人であろうとしているからで、「普通の人で有ろうとすればするほど、家族から軽蔑され舐められる」ってバランスがフレッシュで凄まじく面白い。
この手の映画の中でも、ここまでリアルな心象で「舐められている」男っていたでしょうか。

そして、そんな日常の描き方、見せ方がフレッシュ!
エドガー・ライトを彷彿とさせるようなテンポをきざむ編集で、秒速で主人公の置かれた家庭内ポジションに、楽しませつつも感情移入させる手際の良さは見事でした。
また、その中で「実はこの人、出来んじゃね?」って最小限の違和感を残すのも見事です。

そして最後に、アクションもフレッシュ!!
「87North productions」が関わっている事からもわかる様に、アクションのベースラインが高いのはさることながら、そのテイストが『ジョン・ウィック』や『アトミック・ブロンド』のそれとは全然違っていて、不完全で肉体ごと突っ込んでいく...気持ちで戦うような戦い方になっています。
これは本作の主人公が、前述の映画のアクションとは異なった動機を持っているからで、「日常の鬱憤」からの爆発を表現する様に、八つ当たり的でぼろぼろになりながらのアクションが超絶最高でした。

間違いないフォーマットを、最大級にスキ無く活かしつつ、フレッシュな面白さがふんだんな、新たな「舐めてた相手が実は殺人マシンでした映画」の大傑作!

超絶オススメです!!


  1. 2021/06/14(月) 18:00:00|
  2. 2021年公開映画
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