シネマ・ジャンプストリート

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☆7『ブラック・ウィドウ』ナターシャよ永遠なれ

スパイ映画であり、ヒーロー映画。

『ブラック・ウィドウ』



~あらすじ~
孤高の暗殺者ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)の前に、ある日突然「妹」のエレーナ(フローレンス・ピュー)が現れる。二人は自分たちを暗殺者に仕立て上げたスパイ組織レッドルームの秘密を知ってしまったため、組織から命を狙われていた。姉妹が頼れるのは、かつて組織によって作られた偽りの家族しかなかったが、レッドルームの陰謀はこの「家族」の再会に仕組まれていた。(シネマトゥデイ引用)



7/10★★★★★☆☆

以下 レビュー(核心のネタバレなし)
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の24作目(多!?)であり、インフィニティ・サーガと言われる一連のストーリーが完結後、新たに始動するフェーズ4の一作目になる本作。
フェーズ1から登場していた世界最高のスパイ、ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフの、初の単独作品であり、最後の登場になると予想される作品になります。
監督を務めるのは、『さよなら、アドルフ』などのケイト・ショートランド。主演のナターシャを演じるのは、これまでの作品群同様にスカーレット・ヨハンソン。『ミッドサマー』のフローレンス・ピュー、『女王陛下のお気に入り』のレイチェル・ワイズ、『ヘルボーイ』のデヴィッド・ハーバーなどが共演します。

本作の時系列的には『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の直後であり、ソコヴィア協定を破り、孤立するナターシャが、彼女の過去に関わる事件に関与する事になります。彼女が少女時代に隠れ蓑として過ごした擬似家族が関与し、自らも在籍していたスパイ組織「レッドルーム」に立ち向かうという、大きな話の流れになります。

MCU作品といえば、作品毎に違うチューニングが巧みなのですが、本作は世界最高のスパイであるブラック・ウィドウの物語だから当然とばかりに、完全にスパイ映画として作られています。
キーアイテムの争奪戦をベースに、追いかけっこ、カーチェイス、屋根の上のアクション、ヘリコプターを使ったアクション、そして成りすましと潜入。スパイ映画として楽しい要素が分断に詰められ、それがストーリーを推進する為、MCU初心者でも楽しめる作品になっています。

その中でスパイ映画と大きく違う所があります。
助けるという事を最優先に行動し、時には敵である存在にも救うという行動を取る彼女を見ていると、彼女はスパイではなく、「人を救う」アベンジャーズ のヒーローなんだという事が、ふと感じ取れるシーンが多々あるのが凄く良かったです。

そんな、一見さんにも楽しめる映画になっているのですが、キャラクターの内面を掘り下げようとして見た時、過去のMCU作品を知ってるか知らないかで、見え方が変わってきます。

彼女がアベンジャーズたる理由とは、そして何故『エンドゲーム』であの行動を取ったのか...そこに繋がる彼女の本質は、彼女自身ですらもこの映画前の時点では気が付けていません。
「プロフェッショナルなスパイ」でありつつ、「アベンジャーズ =家族」と捉えていた彼女と、幼少期にいた擬似家族との接点を通して、「プロ(仕事)と家族の天秤」がテーマに浮かび上がってきます。彼女自身もその接点を通して自分自身を理解すると共に、彼女の言動と変化から、見ている我々もナターシャへの理解が深まっていく、そんな映画になっています。

そんなナターシャと対比する立ち位置で、喰いそうな勢いで存在感が際立っているのが、ナターシャと幼少期に擬似家族を形成していたフローレンス・ピュー演じるのエレーナです。
ナターシャが、スパイではなくヒーローである事、そして自身の本質に気が付けていない事を、対照的な存在である彼女が強調してくれています。
それだけでなく彼女自身、生意気妹感のキャラクターがめちゃくちゃ立っていて、肉感とあるアクションも最高で、間違いなくあると思われる今後の登場に期待したいです。

他にも、ブラック・ウィドウのアクションはやっぱり大好きですし、クライマックスアクションもCG駆使した見た事ないアクションで見応え十分でした。

ただ、2点ほどマイナスポイントを...

1つが、後半に入って冗長に感じてしまう所があるなと。特に前半はスパイアクション映画として駆け抜けていくのですが、「家族」の濃度を強めるタイミングで、話が止まって見えちゃう所が残念でした。

もう1つが、作品は関係ないのですが...タイミングが悪すぎる。
フェーズ3を振り返りつつ、フェーズ4が始動するポジションにいる作品なのですが、余りにフェーズ3から時間が空いてしまって感情を乗せづらい所があるのと、ディズニー+で公開中のドラマシリーズが世界観を拡張させる方向の作品が多い為、今作はインパクトがなく地味に感じてしまうのが、勿体ないし残念ですね。

とはいえ、スパイ映画として万人が楽しめつつ、ブラック・ウィドウの本質の輪郭がはっきりする作品になってて...
オススメです!!


  1. 2021/07/11(日) 15:03:38|
  2. 2021年公開映画
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