今世界で最も愛されるエンターテイメント傑作シリーズの第5弾。
『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』

~あらすじ~
アメリカの政府秘密機関IMFのエージェントであるイーサン・ハント(トム・クルーズ)。彼は仲間のウィリアム・ブラント(ジェレミー・レナー)やベンジー・ダン(サイモン・ペッグ)、ルーサー・スティッケル(ヴィング・レイムス)と共に、謎の組織「シンジケート」の正体を探る任務を進めていた。そんな中、イーサンは指令を受けるためにIMFのロンドン本部を訪れるも、敵の罠にかかり、拘束されてしまう。拘束されたイーサンは拷問を受けるが、謎の美女イルサ( レベッカ・ファーガソン )が現れ・・・
一方で、CIAの長官であるアラン・ハンリーの進言により、時代遅れのIMFは政府から解体を命じられてしまう。過去に数々の騒動に関わっていながら、急に連絡をとれなくなったイーサンは、CIAによる国際手配を受けてしまう。
☆☆☆☆☆☆☆(75/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
~ミッション:インポッシブル~
大スター トム・クルーズ。
世界中を見渡しても、現在彼以上のスーパースター俳優は存在しない。
1986年の「トップ・ガン」でトップ俳優の仲間入りをして以来、
アクション大作からドラマ映画、社会派作品まで様々なジャンルでヒットを連発し、
彼の出る所には、全くと言っていいほど、駄作が存在しない。
スターオーラが一層増した事で、出てくると登場人物としてもはや見えなくなってくる立ち位置になり、
出演作品は比較的たたかれやすい大作がほとんどになった昨今でも、
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のような傑作にしっかり関わってくる。
これも、自分がどう見られているか、どの作品に出るべきかを熟知しているからではないか。
彼以上に自己プロデュース力が卓越したスターは存在しない。
そしてその分析力を活かして、2000年前後からは製作側にも携わるようになる。
その最たる例が、人気テレビドラマ「スパイ大作戦」の映画化作品である
『ミッション:インポッシブル』シリーズだろう。
1作目ではサスペンス・スリラーの名作「アンタッチャブル」の監督ブライアン・デ・パルマを招き、
不穏感の漂う、素晴らしいチームスパイ物に仕上がっていた。
しかし以降、2作目でエモーショナルなアクション演出の天才ジョン・ウーを、
3作目でテレビドラマ「LOST」上がりのJ・J・エイブラムを
監督に招いて続編を製作したが、トム・クルーズの単体アクションに寄りすぎて、
これじゃない感を感じてしまった。
(決して駄作ではない。)
その嫌な流れを、監督にピクサー・アニメーション出身のブラッド・バードを招いた、
前作の「ミッション:インポッシムル ゴースト・プロトコル」の快作っぷりが完全に吹き飛ばした。
チームの連携でインポッシブルを突破するという原点に立ち返っており、
特に何度見ても、ドバイの高層ビル内での一連のアクション、騙し合いはワクワクする。
そして今年、トム・クルーズ53歳。
監督に名作サスペンス「ユージャル・サスペクツ」やダークアクション「アウトロー」の
クリストファー・マッカリーを迎えた第5作目の今作。
「ミッション:インポッシブル」に求めている要素がしっかりと詰め込まれた、納得の作品になっていた。
~敵か...味方か...~
冒頭から15分後、イーサンはIMFから新たな指示を受けるため、ロンドン本部に戻る。
例のごとく、音声による指示を受け、あーミッション・インポッシブルだなぁーなんて感じてると.....
敵組織に拘束されるイーサン。手足が縛られ、目前には拷問を担当するであろう、拷問器具を手にした美人が。
あぁ、この美人にいじめられたい...なんて思っていると、元IMFだというマッチョが拷問役を奪い取る。
この得ゼロな拷問を受けてる所、突如例の美人の華麗な足技に救われる。
一体彼女は何者なのか...
組織に潜入している諜報員だと名乗るが、イーサンを泳がして利用している敵にも見える。
この敵なのか、味方なのかの不穏感が終盤に差し掛かるまで、終始物語を包む。
この辺りは、「ユージャル・サスペクツ」の監督の腕が。
というより、
信じられる本当の仲間は誰なのか...これこそがミッション・インポッシブル一作目にあった、忘れていたミッション・インポッシブルらしさじゃないだろうか!?
~ALL for Ethan~
もう一つの醍醐味、前作から続くチーム物要素も今作では更にパワーアップ。
もぐりこみ、化かし、そして互いをフォロー。チーム個々の動きが同時進行し、一つの仕事が完結する。
そして何より、今作のイーサンは結構ヘマをする。無謀な事に挑み、失敗しかける。
イーサンの行動に文句を言いながら付いていくベンジー、CSIとの間に挟まれるブラント、ピンチに駆けつける旧友のルーサー、そして謎の美女イルサまでもがサポートする。
敵対する組織のリーダーが言う。
「お前はギャンブラーだ、いつか身を滅ぼす」
しかし非常手段にチームがフォローする。
正しい事をする無茶は、見ている誰かが助けてくれる。
~これこそエンターテイメント~
終始飽きさせない要素が転がっている。
誰が見ても楽しい。これもミッション・インポッシブルたる所以!!
つかみに持ってくるアクション。いきなりこれか....製作側の自信がびんびん伝わってくる。
そして、その自信は決して過信ではない事を証明。
序盤、中盤、終盤と適度な間隔で、とんでもアクションを放り込み、CGじゃなく出演者が演じてるからこそのワクワクを与えてくれる。
個人的には、イーサンの朦朧とした状態でのアクションが、フレッシュでたまらなかった。
アクションが止まってる時も飽きさせない。
今作、非常に美味しい立ち位置のベンジーとイーサンの関係は、文句をいっているのに、恋人同士がイチャイチャしているように見えず、思わずニヤニヤしてしまう。
そして、謎の美女イルサのアクションもカッコ良い。足技で魅力したかと思えば、ラストのイーサンとの展開は最高すぎる!!
敵リーダーのキャラが弱い...とか、イーサンが盲目的に信用する違和感...とか、ラストの展開は格好良さに寄せすぎでは...とか多少の不満もある。
しかし!完全にハリウッド製大作シリーズの代表格として、完全に勢いをとりもどした。
これぞミッション・インポッシブル!!の要素が詰まった映画、是非劇場で!
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