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劇場公開映画を中心にレビュー 映画の良さと個人的感想を。

○75 『キングスマン 』 多幸感ハンパねー

Manners.... maketh..... man!!

マシュー・ヴォーン証全開、爽快スパイアクション
『キングスマン』


~あらすじ~
表の顔は高級テーラー「キングスマン」。しかし、裏の顔はスタイリッシュなスーツに身を纏い、世界の平和を守る独立系スパイ組織!
ロンドンに住む若者エグジー(タロン・エガートン)。彼の父は「キングスマン」の元エージェント。しかし、彼がまだ幼い時に任務中に戦死する。父の友人から貰ったペンダントを胸に持ち、母の恋人にこき使われながらぐれた生活を送っていた。
そんな中、現役エージェントのハリー(コリン・ファース)はエグジーに可能性を見出す。何者かに殺されたエージェントの代わりを探していた「キングスマン」の候補生に抜擢する。
しかしその裏でアメリカ人IT富豪のヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)が、前代未聞の人類抹殺計画を進めていた....





☆☆☆☆☆☆☆(75/100)

以下 レビュー(核心のネタバレなし)

~これが映画!!これがスバイ映画!~
もし、ごく普通の人がヒーローを志しちゃったら...
そんな過激痛烈ヒーロー映画「キックアス」の監督マシュー・ヴォーンが自らの領域に帰ってきた!!
マシュー・ヴォーン自身が大好きだという60~70年代スパイ映画。今回はそんなエッセンスが詰まった楽しいスパイ映画に、マシュー・ヴォーン証の過激で痛快なアクション、ハイセンスでぶっ飛んだ音楽をミックスして、またしてもやらかしてくれた。

冒頭から登場する女戦士ガゼル。
ヴァレンタインの用心棒で足に義足兼ギロチンをつけている。見た目からすでにインパクトの塊だが、登場シーンの衝撃が更に凄い。人助けをしたヒーローを背後から真っ二つに縦割する。
この時点で、「はい、この映画はそういう映画ですよ~」とリアリティラインをぐんと下げる。近年の007のシリアル路線(もちろんそれはそれで最高!!)とは、全く異なるスパイ映画が始まるよ...とにかく楽しめ!!と突きつけてくる。

この映画はロジャー・ムーアの007や、「0011 ナポレオン・ソロ」(私は見た事がないが...)に代表される、60年代、70年代のスパイ映画のような、映画は楽しくなきゃ!!精神に満ち溢れる。
という事はもちろん、スパイ映画らしさの一つでもある、嗜好を凝らしたスバイグッズが、わんさか登場する。
予告編にも登場する「ガンブレラ」はハリーのそしてこの映画のマストアイテム。一時的な記憶を消す「ど忘れウォッチ」や、致死性の毒薬を任意で起動できる「さそりペン」など、そんなバカな...な秘密道具が登場し、ここぞの所で大活躍する。スパイグッズに加え、数々登場する「秘密部屋」。もうこの時点で最高この上ない。

更にもう一つ、破天荒な敵キャラも大味スパイ映画には外せない。ブリティッシュ貴族風の「キングスマン」とは対照的に、サムエル・L・ジャクソン演じる敵キャラのヴァレンタインはこれでもかとばかりにアメリカンなIT成金。善人の彼は慈善活動をいくらしても、地球は良くならないと気がつく。なら...人類いらなくね??
全ては地球の為に!!正義のスパイより余程エコの事を考えている。地球に優しいナイスガイ。
そして、見てる方はしみじみ思う。これが、アベンジャーズの行く末なのね...

~生まれじゃない~
キングスマンとヴァレンタイン。紳士スパイとIT成金。徹底された世界観の上に存在する、正反対な存在の対象っぷりも必見ポイント。
特にキングスマン側のダブルボタンのスーツスタイルと、これぞブリティッシュの高級テーラーの内装が圧巻。そしてその中に腰を据えるのはイギリス的な貴族主義の思考。
そんな世界が強調されればされる程、敵対組織のアメリカン要素、フリーダムな思考と押し付け主義への皮肉も際立つ。アメリカを象徴するかのように、超偏見主義のウェストボロ・パブティスト協会がモデルの協会も登場したり...

そんな中、労働階級でありながらキングスマンになろうとするエグジーだけが異質に写る。決して恵まれている家柄でなければ、学歴でのし上がれる訳でもない。
紳士かどうかは生まれじゃない...
マナーが!紳士を!作るんだ!!

~なんという多幸感...~
この映画には大きな山場が2つ存在する。
一つは、前述のウェストボロ・バブティスト協会をモデルにした協会に、ハリーが乗り込んだ時。待ち受けていたヴァレンタインは「人々を凶暴にする為の超音波装置」を発動。
もちろんハリーは卓越した格闘能力を誇るのだから、信者になんて負けたりしない。しかし...当然の事ながら、ハリーもこの装置の虜になる。この時の光景は地獄絵図そのもの。
しかしそこで流れるレーナード・スキナードのフリーバード。哀愁を込めながらもどんどん開放的になっていく曲が、地獄絵図と相反する。
長回しのやりすぎ暴力描写のはずなのに...なんという多幸感!!!
このまま一生このシーンが続いてくれ...

そして、もう一つの山場、ラスト30分ではこれ以上の至高が待っている。暴力は残酷だし、ありえない度はどんどんインフレする。なのに...上がる。
そうだった...これがマシュー・ヴォーンの映画だ。画面に映し出されているアリエネー暴力描写や無茶苦茶な展開を、事前にいくつもに散りばめられた伏線とセンス抜群の音楽を駆使して、最大限の至福に変える。進むにつれて増幅する興奮。あんた、天才だよ...
この痛快暴力描写は、他の人がすると大惨事。

楽しい。楽しい!
ハリーとヴァレンタインは監督の思いを代弁している。「やっぱりスパイ映画は楽しくないと!!」
しかし、そんな強い思いで成り立ってる映画も、悪役のヴァレンタインの一言が全てを否定する。「これは映画じゃないんだよ!!!」

王道のエンターテイメントでありながら、それすらも利用する。
昔懐かしの楽しさを詰め込みながら、こんなの見たことのない描写の連続。
残酷でありながら、痛快。
このバランスがなんとも不思議で、ついつい見惚れる。

修行シーンが勿体無いな...なんか本筋の展開止まってるな...って感じる所は無くは無い。

それでもこんな理不尽に上がる映画はなかなかない!見ない理由はない!
映画が!紳士を!作るんだ!!



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  1. 2015/09/13(日) 21:32:17|
  2. 2015年公開映画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

コメント

観ました『キングスマン』!!

おっしゃる通り、普通に描いたら凄惨な暴力描写が
多幸感に変わるセンスに脱帽です。
とくにラストは…「あんな表現観たことない」って感じで。
(DVDパッケージのデザインにもニヤリw)

いやー最高でした!

ではまた



  1. 2016/02/24(水) 12:35:49 |
  2. URL |
  3. EBI147 #-
  4. [ 編集 ]

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