シネマ・ジャンプストリート

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55 『ファンタスティック・フォー』 超人モンスター誕生

世界初のヒーローユニット映画のリブート。

『ファンタスティック・フォー』



~あらすじ~
天才的な科学の才能を持つあまり、幼少時代に親からも先生からも見放されていたリード(マイルズ・テラー)。彼の唯一の理解者は、相棒のベン(ジェイミー・ベル)だけだった。
大人になった二人は、自ら作り上げた物体空間転送装置を持ってコンテストに出店。そこで世界的な財団の科学者Dr.ストーム(レグ・E・キャシー)と、その養女スー(ケイト・マーラ)にリードはスカウトされる。
なんと二人の作っていた装置は、無限のエネルギーを持つ「異次元」へ転送する装置だった。破天荒ながら天才技師であるストームの実子ジョニー(マイケル・B・ジョーダン)と、危険思考があるが計画の大元を発案したビクター(トビー・ケベル)も合流し、研究の末に完成した物質転送装置で異次元空間プラネット・ゼロへのテレポートに挑むが……





☆☆☆☆☆(55/100)

以下 レビュー(核心のネタバレなし)

注:これはヒーロー映画ではございません。

監督にPOV形式で撮影した、傑作拗らせ青春超能力映画「クロニクル」のジョシュ・トランク、主演に「セッション」で強烈な狂気で拗らせたマイルズ・テラーや、「クロニクル」で拗らせないが為に?死んだマイケル・B・ジョーダン。
もうこの布陣を聞いただけで期待急上昇。
面白くない訳ないだろ!!
最近のマーベルは作品の雰囲気に合わせて(アクション映画が得意かどうかは関係なく)ベストな監督を選び、ベストなキャスティングをする為、見る前からどういった作品かある程度推測出来る。
そう、今回は生々しく、そして拗らせる話だ。
世間の低評価?そんなの嘘に決まってる。


序盤から中盤にかけての展開は決して悪くない。
予想どおり冒頭から、ファンタスティック・フォーの元来のイメージである、バカ明るい要素は皆無。
何者でもなかった才能ある若者達。
彼らの背景から始まり、自分達の「巨大物質転送装置」を作り上げていきながら、絆を深めていく。
この過程を、地に足をつけた演出で淡々と描きこむ。

最初の1時間はこの後どうやってヒーロー物に?という展開だが、スーを残して4人で異次元空間に旅たつ所で一気に物語が動き出す。
ある過程を得て、彼らが能力に目覚める描写は、アベンジャーズ系統のソレとは一線を画す。
決して「ハイ」にはならず、肉体的にも精神的にも痛々しく生々しい。
全然羨ましくない。
クローネンバーグ的と言うべきか。
ともあれ、これはこれで悪くない...ていうか、この後めちゃくちゃ面白くなっていくに違いないという期待感が次第に高まっていく。

この映画の大きな問題はここから。
とにかくこの映画、面白くなりそうな所でことごとく期待を裏切ってしまう。
特に彼らが能力に目覚めてしまってから、ヒーローになるまでの展開が酷い。
見たい所をわざわざ飛ばす....
他にも、さぁ終盤のここからヒーロー映画として盛り上がっていくのね!?とテンションを持ち上げ始めるのに、余りにも雑な結末だったり。
徹底的に裏切ってくれる。
こんなに製作陣の迷いが見える映画は久しぶりに見たかもしれない。

こうなってくると、前半の展開も色々突っ込みたくなる。
スペシャリストが集まってるハズなのに、全く分担が見えてこなかったり...
時間をかけてキャラクターを描いているのに、彼らの映画以前の生活が全く見えなかったり...

マーベル自体も「バカ明るいヒーロー」のイメージでファンの多いシリーズに、生痛い青春描写が得意なジョシュ・トランクを当てた段階で、ある程度の批判は覚悟しているように感じる。
しかし、それ以前に余りにもバランスが悪い。

とはいえ、アクション描写自体は非常にフレッシュで、作品自体まだまだ持ち直す余地は全然あると思っている。
続編に期待!!


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  1. 2015/10/27(火) 22:30:35|
  2. 2015年公開映画
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