今年も何卒、よろしくお願いいたします。
お久しぶりになります。約2か月ぶりの更新です。
昨年末から多忙につき、ストップしてしまい、非常に申し訳なく・・・・
完全復活です。
2016年1本目はこちら。
スピルバーグ×コーエン兄弟×トム・ハンクスの
冷戦時代の米ソを描いた実録サスペンス
『ブリッジ・オブ・スパイ』

~あらすじ~
保険の分野で着実にキャリアを積み重ねてきた弁護士ジェームズ・ドノバン(トム・ハンクス)は、ソ連のスパイとしてFBIに逮捕されたルドルフ・アベル(マーク・ライランス)の弁護を依頼される。敵国の人間を弁護することに周囲から非難を浴びせられても、弁護士としての職務を果たそうとするドノバンと、祖国への忠義を貫くアベル。2人の間には、次第に互いに対する理解や尊敬の念が芽生えていく。死刑が確実と思われたアベルは、ドノバンの弁護で懲役30年となり、裁判は終わるが、それから5年後、ソ連を偵察飛行中だったアメリカ人パイロットのフランシス・ゲイリー・パワーズ(オースティン・ストウェル)が、ソ連に捕らえられる事態が発生。両国はアベルとパワーズの交換を画策し、ドノバンはその交渉役という大役を任じられる。
(引用元:映画.com)
☆☆☆☆☆☆☆(75/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
監督は「ET」、「ジョーズ」、「ジュラシック・パーク」、「インディジョーンズ」の言わずと知れた世界一有名な映画監督であるスティーブン・スピルバーグ。
近年のスピルバーグは、戦争における重厚な人間ドラマをよく描いているが、
今作はそれらとは一線を画し、重厚な人間ドラマの中で、冷戦状況におけるサスペンスフルなエンターテイメント要素、そして絶妙に微量なユーモアの雰囲気が散りばめられた、重たすぎずに心に響く見事なバランスの作品に仕上がっています。
それもそのはず、脚本は「ファーゴ」「ノーカントリー」のコーエン兄弟。
見たものにしか分からない「人間関係における独特の空気感」
その空気感が時にはユーモアに働き、時には登場人物達にしか分からない(絆のような?)何かに説得力を産む。
今作ではそんなコーエン兄弟の脚本が、仕事に強い信念を持つトムハンクス演じる弁護士のドノバンと、祖国に忠実なソ連のスパイであるアベルとの間の、不思議な絆に説得力をもたらすのに一役買っているように感じます。
ストーリーとしては大きき2部構成に分かれます。
人間関係が緻密に描かれる前半。
弁護士としての強い信念を持つが故に、乱雑な裁判で裁かれようとしているソ連のスパイを減刑すべく奮闘するドノバン。
そんなドナバンの家族は、アメリカ国民から冷ややかな目で見られ、危険が迫る・・・・
はっきり言って、自分がその時代のアメリカにいるとすれば、間違いなく彼の行動には売国と反感を持ちます。
「アメリカ人を殺す事になるかも知れない敵」を無罪にしようとしているのですから・・・・
こんな状況の中でも、彼の信念は絶対に折れません。
「弁護士として憲法、制度に忠実である事が、アメリカの尊厳を守る。」
大事なのはそれぞれの役割において、信念を持ち続ける事かもしれない。
彼も彼の役割・信念の元での愛国者なのです。
そして同じく役割・信念に忠実なアベルと共鳴し始めるのも必然なのかもしれません。
後半に入ると、よりサスペンスフルな展開に。
ソ連につかまったアメリカ人パイロットと、アベルのスパイ同士の交換の交渉人に政治的なしがらみの無いドナバンが選ばれます。
民間人として危険な東ベルリンへと向かう彼を突き動かすのも、信念。
交渉の手札となっていくのも、信念。
そして秀逸なラスト20分。
緊迫感満ち溢れるサスペンスにおけるクライマックスから、ある人物の気持ちの同期させて
「あ~我々は偉大な男を目撃した・・・」という余韻が残るラストへの持っていき方。
やっぱり、生き様を貫く男はかっこいいのです。
そしてそんな男だからこそ、奇跡が起こります。
年はじめ一本目の映画として、
見応え十分で、エンターテイメントとしても秀逸です。
是非劇場でご覧あれ!!!
あ、後、ルドルフ・アベルを演じる、マーク・ライランスの熟したスパイの演技がすんんんんばらしいです。
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