日本一のヒットメーカー山崎貴監督の新作!!
『寄生獣 完結編』

~あらすじ(前編)~
何者かが、パラサイトを地球に呼び寄せた。彼らは人間の身体に進入し、頭を乗っ取り、人間をも食べる。
脳への寄生を間一髪で免れた高校生の新一(染谷将太)は、腕のみの寄生に留まったミギーとの奇妙な共同生活が始まる。順応しつつあった新一とミギーであったが、彼らの前に悲劇が待ち受ける....
⭐️⭐️⭐️⭐️(45/100 前編60/100、後編30/100)
~愛されてやまない原作~
原作は1988年から1995年にかけて発表された、岩明均さんの大ヒット漫画。
画期的なキャラクターや、グロ描写、社会問題や哲学的思考を組み込んだ内容で、今も尚熱狂的なファンを大勢抱えている。
(ちなみに自分は未見...)
そんな愛するべき原作を監督するのが、日本を代表する映画監督の山崎貴監督。代表作に「永遠の0」「ALWAYS シリーズ」
CGを惜しげもなく活用し、そこにモリモリと演出を足し算していくタイプの監督。大ヒットを連発してるが、反対派が多いのも事実。
果たして今回は....
以下 前編レビュー(ネタバレなし)
これは....面白い!!!
まず、冒頭15分。満点なのではないでしょうか。
ごく普通の日常に異質な物が入り込み、自分だけが特殊な存在になっていく。それを一連の流れで見せられ、画面上の不穏感がひしひし伝わる。そしてそこからのタイトルコール!
タイミングも抜群。
確かに、主人公が気持ち話しすぎなのや、ご都合主義も気になる。しかし、漫画原作という点を考慮に入れれば、全然許せる。というより、アニメ的な気持ち良さが軽く不満点を凌駕してる!
原作からの取捨選択も絶妙。
前編のテーマとして浮かび上がってくる母子愛に思わず涙。
別の何かからの視点を見せる事で、人間の異質さが伝わってくる構図もフレッシュで素晴らしい。
キャストもどんぴしゃでハマっているし、グロさから逃げていないのも素晴らしい。
音楽による過剰演出を含めた、監督独特のクドさが抑え気味なのも見やすく好印象。
以下後編のレビュー
~人間という生物の滑稽さ~
人間の歪さや滑稽さや、だからこそある人間の愛おしさ、この部分は前作以上に刺さる世界観になっている。
原作を見た事はないが、今回の前後編を見た上でこの部分が寄生獣の原作がもっている奥深さ、つかみ所のない魅力の所以なんだと感じた。
自らだけでは生を得る事の出来ない寄生獣。私達をいじめないで。地球をいじめないで。
生を得ているだけの彼らに対する、人間の自惚れによる利己的な残虐と、寄生獣である田宮先生(深津絵里)の人間性の目覚めが、人間の愚かさと素晴らしさをクロスして伝える。
マクロに見ると人間の行動は馬鹿げているし、地球にとっては害でしかないかもしれない。しかし、その一つ一つの行動は「愛」の為や、「仲間」の為など、ちっぽけながらも愛おしい物なのだ。
~ナイスな改変、編集、役者~
物語の最後まで残る、寄生獣を呼んだのは一体...の部分の原作からの改変は、より上のテーマを強調し、個人的には素晴らしいなと感じた。
また、前作同様ミギーとのやりとりはいつまでも見ていられる。特に共同生活シーンは最高。あれだけで2時間でも全然いけるし、飯3杯はいける。
中盤の盛り上がりである、突入シーンと田宮先生の涙のシーンの同時進行による躍動感も外せない。
静と動により、上で述べたテーマをクロスさせる展開。ここが一番上がった!!!
役者陣は今回も良かった。
特に深津絵里!!まじで人間の表情に見えないですもん....その中で徐々に人間性を得ていく表情の変化が最高過ぎる。
橋本愛のセクシーな顔の演技は今年一のエロさだし、ピエール瀧のキャラクターも楽しい。
~怒涛のごとく不満点(少しネタバレ有り)~
さて。
話し出したらきりがないので、ざっくりと。
一言で言うと...
あーやってしまったな
音楽や映像、セリフを含めた演出が過剰すぎて、くどい。くどすぎる。くどすぎる。
前半からやたら煽る音楽や、そんな事言わんだろ...なセリフ、よくわからないどアップ連発。ここまでは、まだ....
後半、くどさがインフレ。何回エンディングがあるのか。過剰回想シーンに煽る音楽では思わず爆笑。
ラストの展開度外視での感動シーン。いやいやいや、後ろの彼は!?笑
放射能の下りもひどい。
どうせやるなら、徹底的に理論に裏打ちされた形で出すか、さりげなく日常にある感じにしないと。
放射能の誤解を生む形で、かつストーリーにも穴があるようだと、「今と言えば、放射能でしょ!あれ!!俺、良い事思いついちゃったー?採用!!」ってノリにしか見えない....
セックスシーンのタイミングも。追われてる中で急にメロドラマっぽく...しかもそんな放射能だらけの場所で....
前編ではドラマ要素は抑えて、寄生獣のアニメ的な面白さを押し出してたから気にならなかったけど、後編はドラマ押し。
原作の漫画的な過剰セリフに、山崎貴監督の過剰演出が合わさると、ギャグです。
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