頼むから...もう止めてくれ...
と、みんなが思うこの映画。
ロバート・ゼメキス監督最新作の伝記ワイヤーアドベンチャー。
『ザ・ウォーク』

~あらすじ~
1974年。幼い頃から綱渡りに魅せられていたフランス人の大道芸人フィリップ・プティ(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、誰も考えついたことのない挑戦をすることに。それは当時建設中だったニューヨークのマンハッタンにそびえ立つ2棟構造の高層ビル、ワールド・トレード・センターの屋上と屋上の間にワイヤーロープを張って命綱なしで渡っていくというものだった。Xデーに向けて共犯者を集めながら虎視眈々と準備を進める。そしてついに、決行の日を迎えるフィリップ。地上110階の高さに浮いているワイヤーを、一歩、また一歩と進んでいく彼だったが……。
(シネマトゥデイ引用)
☆☆☆☆☆☆☆☆(75/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
体感せよ!
1974年に建設中であった今は亡きワールド・トレード・センターの屋上をロープで繋ぎ、予告なしで綱渡りをやってのけた男の伝記映画。
実話という事で、周囲の反対や己の葛藤に対峙するシリアスなドラマを押し出す事も出来れば、またはハラハラしたサスペンス的な実話で押し通す事も可能な中...
この映画、徹底的にエンターテイメントに特化した、爽やかで楽しい「これぞ映画!」な魅力いっぱいな作品になっています。
それもそのはず、監督はバックトゥーザフューチャーのロバート・ゼメキス。
ゼメキス組のアラン・シルヴェストリの音楽で彩られる中、みんな大好きジョセフ・ゴードン=レヴィットが自由の女神の上で観客に、自分の話を語りかけるという切り口で始まっていきます。
そんな軽快なトーンの中、少年自体に綱渡りに魅了されるきっかけとなったエピソードや、彼の狂った...アナーキーな夢に引き寄せられる仲間との出会い、師匠とのぶつかりなど...
古き良きアメリカ映画を見ているように、そしてそれはあたかも宝物を目指す冒険映画のように、紡がれていきます。
やっている事の倫理的な善悪など関係なく、人が何かに魅了され、それだけの為に盲目的に突き進み、周りも惹きつけられていく話って...見ていて単純に面白いですよね。
そんな冒険客観視の映画でありながら、「絶対にこんな風に生きられない...てか生きたくないし!」っていう他人の人生を体験させてくれる。
これ、映画の最大の魅了です。
社会性とか、正しさとか、メッセージ性とか、そういうのばかりが映画ではないのです。
Xデーに近づいていくにつれて狂っていく彼と周囲との関係や、警備で埋め尽くされる中に無事屋上まで進入してロープを張れるかというハラハラチーム戦要素も確かに面白いですが、
「ナイトクローラ」ほど理解出来なさを楽しませる訳ではないですし、「アルゴ」ほどハラハラさせたりする訳ではないです。
なぜなら、見せ場は最後にあるのですから...
明らかにおかしくなっていた彼が、ロープに足を踏み出した瞬間に、常人では理解出来ない境地に達して空気が一変し、眼下にNYの広大な街並みが広がる光景はまさしく圧巻!!!
そしてその後は...
もう...見て、体感して!としか言えません。
良くも悪くも、演出云々ではなく、映像で全ての感情が圧倒的に支配されます!!
そして皆さんも思うでしょう...
「もう...やめて...お願い...します.......やめてー!!!」
ワールド・トレード・センターの現状を踏まえてラストは、品があり、思わずグッときます。少なくとも今この作品を作る意義を感じました。
少しご都合主義に見える展開が多く、「実話だから...」と言い訳をしているように見えたりするのが、少しもったいないなーと。
しかしながら、2016年どんな映画があった?って話をする時に、間違いなく思い返される記憶に刻まれる映画ですので、是非劇場で、3Dで体感して下さい!!!
オススメです。(高所恐怖症以外の方)
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