リーアムじぃさん爆進中!!
『ラン・オールナイト』

~あらすじ~
元殺し屋のジミー(リーアム・ニーソン)。現役時代はボスで親友のショーン(エド・ハリス)の右腕として、敵対する人物を、そして必要とあらば味方にも手を下していた。
一方で堅気で真面目に生きる息子マイク(ジョエル・キナマン)からは縁を切られる。更に引退後は、自分のしてきた事の悪夢を見る等、組織のお荷物状態で惨めに暮らしていた。
そんな中、マイクが偶然に組織間の抗争に巻き込まれる。殺されそうになっている所を、ジミーが相手を殺す事で助ける...が、その相手はショーンの息子であった.....
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️(80/100 )
以下 レビュー(ネタバレなし)
~セラ監督とリーアム・ニーソン~
監督を務めるのは、ジャウマ・コレット=セラ。「アンノウン」「フライトゲーム」に続き、三作連続でのリーアム・ニーソンとのコンビになる。
立ちはだかる巨大な敵に、一人で立ち向かうという構造は全作に共通しているが、そこにプラスαを加えるのがセラ監督。一作目は[あれ...これ、自分がおかしいのか??]物だし、二作目は[あら、いつの間にか俺に疑惑向いちゃってるよ!?]物。どちらも中盤最高に面白い!割にはトーンダウンして終わるのも共通している。
主演のリーアム・ニーソンといえば、「ナメてた相手が実は殺人マシンでした」ムービー(ギンティ小林氏命名)の大大傑作、『96時間』以来、この手の作品の人になっちゃった俳優。長身長ながら眉間にしわを寄せた弱っちそうな困り顏で、敵をバッタバタとやっつけるのは、大好物です!!
~ナメてた元殺人マシンが、実は今もゴリゴリの元殺人マシンでした(ギンティ小林氏命名)~
今回、リーアムじぃさんが演じるのは、元殺し屋。しかも、ニューヨーク中を支配するボスの右腕として、ごりっごりに殺しをしていたワル。
しかし、その現在の惨めっぷりが悲惨...息子には縁を切られてたり、ボスの息子にこき使われサンタ役をやらされたり、夜な夜な悪夢にうなされたり...その様子が冒頭30分かけて、息子のマイクが抗争に巻き込まれていく過程と並列に、スリリングかつ丁寧に描写される。
この段階でリーアムニーソンの困り顏ファンとしては最高!!なんだけど、それでいてこの後どうなっていくんや...の不穏感がハンパない。
そんな状態のジミー(リーアム・ニーソン)の唯一の理解者は、ニューヨーク中の警察にも手がまわっているボスで親友のショーン。かたや、裏では息子が抗争に巻き込まれようとしている...
この時点で、もう胸騒ぎが収まらない!!
まだ何も起きていないのに...
冒頭30分でもうこの映画に掴まれてしまってる訳です。
もちろん、いつものリーアム・ニーソンの暴れっぷりも健在(いつもよりは抑え気味?)。特に、やられるならばこちらから...とばかりに、単身敵陣に乗り込んでいく展開は、
待ってましたー!!!
~善悪を超えた友情と憎悪~
この手の映画に共通してるのは、敵がクソ野郎でぶっ倒していくから気持ちよくなるという事。
でも、今作のバランスはそこになく、カタルシス一辺倒ではない。
もちろんほぼ全員が超えてはいけない壁を越えてしまってる訳で、決して善人とは言えないが、彼らの行動原理は決して投げ捨てる事が出来ない物だ。
親友であり、お互いに尊敬の念を持っているジミーとショーンも同じ。信頼関係など関係なく、彼らは敵対しないといけなくなる。それは、運命。どちらかが死ぬまで決して止められない。
そんな彼らが迎える二人だけの結末。終わりをつけた事で、表情は救われているように見えた。
また、何気なく殺されるギャングや汚職警官にも家族がある。そんな事を無視していない作りになので、決してバッタバタ倒してもカタルシスは産まれない。
そこが、不満点になりかねない作りではあるが、決して気にならない作品としての結末の落とし所はパーフェクトなのではないか。
~それでも善と悪~
この作品を見ていると、善と悪の境目がわからなくなる。そんな中でも、しっかりと明らかな善が語られる。
それは一線を越えるかどうか。人を殺すか殺さないか。ジミーは事ある毎に息子に言う「撃つな!」と。
みんなが予期するハッピーエンドではないかもしれないが、この作品はしっかりと善が勝ったと言えるのではないか。
いつもの、やつでしょ~と舐めてる方!
この男臭さとリーアム祭りを両立した映画、見ないと損しますよ!
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