シネマ・ジャンプストリート

劇場公開映画を中心にレビュー 映画の良さと個人的感想を。

85『ヒメアノ~ル』もうやだー!!

サイコキラー映画の新たな傑作。

吉田恵輔監督、最新作。
『ヒメアノ~ル』




~あらすじ~
普通の生活に焦燥感を抱くビル清掃会社のパートタイマー岡田(濱田岳)は、同僚からカフェの店員ユカ(佐津川愛美)との恋の橋渡し役を頼まれる。彼女が働くカフェへと足を運んだ岡田は、高校時代の同級生・森田(森田剛)と再会。ユカから森田につけ狙われ、ストーキングに悩まされていると相談された岡田は、森田がかつていじめられていたことを思い出し、不安になるが……。
(シネマトゥデイ 引用)






☆☆☆☆☆☆☆☆(85/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)

おすすめ!!!

と、むやみやたらとオススメは出来ませんが...
またまた、凄い邦画がやってきました。

『さんかく』、『ばしゃ馬さんとビックマウス』、『麦子さんと』の吉田恵輔監督の最新作。
一見コメディでハッピーなルックに対して、実は...という本質を同時進行で突きつけてくる、悪趣味さ全開(褒めてます!)の作家性を持つ監督。
今作ではそのいや~な感じが、更に行くところまで行っちゃてます。
本当にどうかしてます。(最高!

濱田岳演じる冴えない男の岡田と、ムロツヨシ演じる先輩社員の安藤 、そして佐津川愛美演じるカフェ店員ユカがおりなす、ラブコメをベースに進行する前半。
吉田監督の『さんかく』のようなテイスト。
ストーカー気質のある安藤が、ユカに近づく為に岡田を利用するのですが、いつの間にかユカが岡田を...というほんわかするラブコメですが、やはりその中でも意地悪さは健在です。
中でも、男性の持つ女性像と、実際の女性の姿の差を冷たくとらえたギャクは最高ですし、
この人ちょっとやばいのでは...という危うさをもつ安藤の存在はコメディ的にも、そして緊張感を持続させる意味でも良かったです。
ユカのエロ可愛さも堪んない!
ここまでは、意地悪さはあるものの、完全にルックはラブコメでした。
それだけでも、充分に面白いです。

そんな前半で、少ししか登場しないのが、森田剛演じる森田。
岡田と森田は高校時代の同級生です。
ユカから、森田にストーカされているかもという相談をされますが、本人に聞いても知らないと言われます。
しかし、どこか彼はおかしい。
直前に言った言葉を、平然と真顔で「そんな事言ってないよ」と言ったり
会話が成り立っているようで、成り立っていない不気味さ...
しかしながら、彼の存在は物語から次第にフェードアウトしていきます。
一方で、物語上の幸せは益々加速。
今がまさに最高潮!という中盤のタイミングで...タイトルどん!『ヒメアノ~ル』

実は、見られていました...
ここからが本当の物語のスタートを表すタイトルコールに、不謹慎ながらワクワクが止まりません。
そして、この点から一気に意地悪さが急加速。
次々に森田の残忍な殺人パートが挟み込まれます。
人間性が完全に欠如した森田の行動は、映画でサイコパスの持つ一種のキャッチーさやカリスマさは一切感じさせません。
いわゆるな快楽殺人者でもありません。
殺人やレイプの方法は、見ていて吐き気が感じます。
アイドル森田剛。大丈夫なんでしょうか...
しかしながら一方で、ラブコメパートのルックは保ち続けます。
事の重大さに気づいていない岡田のラブコメパートと、森田の残忍な殺人パートが同時進行し、協調される不快さ。
レイプ殺人シーンとセックスシーンを交互に魅せられたり...
本当、この監督どうかしてます。

しかしながら、現実も私が幸せで満ちている時に誰かが残虐に殺されたりしてるわけで...
冷やかで突き放した監督の視線でしょうか。

次第に岡田も関わるある事情(...なのか!?本当?)が見えて来た所で迎える結末。
こんな無茶苦茶な映画なのに、ほんの...ほんのわずかな共感で、ホロリと...
見終わった後、爽やかさとは正反対の、なんともいえない居心地の悪さを持って、帰路につきました。

ぜひ劇場で、レイプされて下さい!!




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  1. 2016/06/28(火) 19:46:46|
  2. 2016年公開映画
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