クローバーフィールドな密室スリラー
『10 クローバーフィールド・レーン』

~あらすじ~
ミシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は目覚めると、自分が見ず知らずの2人の男性とシェルター内にいることに気付く。その日を境に、彼女を助けたと主張するハワード(ジョン・グッドマン)とエメット(ジョン・ギャラガー・Jr)との奇妙な共同生活がスタートする。ミシェルは、外は危険だという彼らの言葉を信じるべきかどうか悩んでいた。
(シネマトゥデイ 引用)
☆☆☆☆☆☆☆☆(80/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
売れっ子映画監督のJJエイブラムスが製作総指揮を務めた本作。
同じくJJが製作を務めた、主観映像だけで構成するSFパニック映画『クローバーフィールド/HAKAISHA』と同じ名前...
JJ曰く、「血のつながった映画」との事。
実際には全く無関係というわけでなく、兄弟という表現を使った事に、見てみて納得。
どういう関係性か、この辺りは伏せておきます。
ただ、間違いなく言えるのは、『クローバーフィールド/HAKAISHA』を見ていなくても全く問題なく、逆に関係性を知らずに見る方が楽しめるかもしれなかった。
そういう意味では、本当にタイトルの付け方が勿体無いなと...
ビックリ要素を排除してしまってるだけでなく、タイトルからのイメージとは全くトーンが違う作品のために...「思ったのと違う!」ってなりますよ、これ。
そして、それ以上に見せすぎているトレーラーやポスターに憤慨しているわけです。
では、どんなトーンの映画かと言いますと、がっつり密室スリラーです。
当初は全く独立した脚本にJJが目をつけ、クローバーフィールドな味付けをしたみたいです。
監督を務めるのは、同じく密室映画のショートムービー『ポータル: ノーエスケープ』が高く評価された、ダン・トラクテンバーク。
ネットで見られるので是非見てください!
めちゃくちゃ面白い。
不穏感や、思わぬ方向へ流れていく楽しさが、本作に通じるものがあります。
今作に登場するのは、たったの3人。
彼と破局して家を車で飛び出したミシェル。
彼からの電話を切り、車を進めると急に事故に巻き込まれてしまいます。
目覚めると、どこだかわからないシェルターに監禁されており、見知らぬデブおやじハワードが「外の世界は何者かに攻められてアメリカは崩壊した。外は汚染されて危険だから助けた!」と意味わからない事を言ってきます。
陽気な男エミットも、その危機からこのシェルターに逃げてきたなんて言ってきます。
なんだこの状況!?こえーよ。
おかしいのはこいつ?それとも私?
怖いのはこいつら?それとも外の世界?
こんなサスペンスフルな状況での密室生活が、この映画の最大の楽しみです。
また、途中ミシェルは逃亡を決意するのですが、
ここは面白さ安定のばれるの?ばれないの?物として機能しています。
サスペンスとして、スリラーとして、美味しいものばかりが詰め込まれた、そんなJJお得意のシチュエーションムービーです。
そして、そんな旨味だけで収まらず、不思議な感触の後味を残します。
「SFと思ったらサスペンスで、サスペンスと思ったらSFだった。」
この辺りは、実際に見てください!
欲を言えば、もう少しばれるの?ばれないの?物として、ジリジリ感があれば最高でした。
是非、ポスターやトレーラーには何も触れず、(出来ればタイトルを気にせず...)劇場で見ていただきたい映画です!
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