大人気シリーズの続編!!
『ファインディング・ドリー』

~あらすじ~
カクレクマノミのニモの大親友であるナンヨウハギのドリーは、すぐに何でも忘れてしまう。ある日、子供のころの思い出がよみがえり、一念発起して家族を捜す旅に出ることを決意する。おっちょこちょいなドリーを心配したニモは、父親マーリンを説得してドリーの旅に同行する。
(シネマトゥデイ引用)
☆☆☆☆☆☆☆(75/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
画期的なCGによる水中表現、魅力溢れるキャラクターで、大ヒットとなったアニメーション映画『ファインディング・ニモ』から13年振りの新作!
監督は同じく、アンドリュー・スタントンさん。
『ファインディング・ニモ』と今作の間には、大大大傑作『ウォーリー』なんかも撮ってます。
(個人的にはピクサーアニメーションNO1!!)
ビジュアル、ストーリー含めた擬人化による感情表現は、ピクサーの中においても、彼の右に出る人はいないのではと思っています。
前作は、過去に縛られる余りに今を怯え、子離れ出来ないカクレクマノミでのマーリンが、人間に連れらされた我が子ニモを探す過程で、様々な危機を乗り越えて成長していく...「親の子離れ」を描いたアドベンチャー映画でした。
その中で、短時間の情報しか覚えられない記憶障害を持っており、今を生きる(むしろ今しか生きる事のできない...!)やけに明るいドリーは、マーリンと対比される重要な役割を持つ相棒でしたが、あくまでサイドストーリーに過ぎませんでした。
「家族すらも覚えていない...」
一見明るく見えるドリーですが、ふと落とされる彼のストーリーの悲惨さ。
前作でもかすかに匂わされ、想像される苦難から少なからず違和感となっていた、ドリーのアイデンティティを紐解くのが、今作の冒険物語です。
序盤から、産まれながらに記憶障害を持っていたまだ幼きドリーが、家族と逸れて大海で成長し、ニモを探しているマーリンと出会う、一作目の衝突シーンまでのドリー側の経緯が挟み込まれます。
何故家族と別れたのかや、何処が家なのかの記憶がないながらも必死で、家族を探すドリー。
しかし、家族を探す中で、逆に次第に家族の存在を忘れていく...
幼きながらに、大海に放り出されて、自分という存在すらも確かでない...
そんな中で、ニモたちと出会った時に身につけていた明るさ。
この明るさは、そうしないと生きられない処世術だったのかもしれないと思うと、早くも号泣。
家族を失った(事にするきづいていないが...)ドリーにとって、ニモとマーリンは初めて長い間共にいられる、家族のような存在なのかもしれません。
僅かに思い出した家族の記憶を元に、ドリーが(また、ニモとマーリンも)両親を探す旅に出かけます。
ハラハラドキドキの冒険。
ドリーの明るさの中にも、今作は時折悲しさが垣間見えます。
そんなドリーが迎える、旅の結末。
絶望的な状況を救ったのは、物語中に散りばめられた彼のアイデンティティでした。
今を生きる。
その為に必要であった、ドリーの好きな歌や貝殻...
自分自身と向き合ったとき、それらがドリーを導きます。
彼が欲していたものは、何もなかった訳でなく、むしろ最初からあったのです!!
アイデンティティの由来を見つけ、結末に辿りついたとき、あまりの深みに鳥肌が立ちました。
物語のプロットは、毎度のごとく圧巻でした。
また、各キャラクターには何かしら身体や心にハンディを持っており、ストーリーのテーマに準ずる形になっています。
もちろんこれは心身障害を含むアイデンティティのメタファーです。
これを実写の高いテンションの物語で直接描かれると、不快感に繋がってしまうのですが、アニメーションだからこそ明るく描かれても、全く不快には感じず、むしろキャラクターは魅力的に見えました。
またビジュアル、CG描写はもう触れる必要がない程、当然のように美しく楽しかったです。
(特に本編上映前ショートムービのリアルさと可愛らしさが両立するクオリティはなんなのあれ!?
あれだけでも観る価値あります。)
一方で今作に関しては、見せ場が過ぎるなと...
楽しいんだけど、そんな無茶な!?というシーンが多すぎて、「想像力を掻き立てる範囲内でのリアリティライン」をゆうに凌駕しちゃってます。
魚なんでもありかよ。
「とりあえずやってみる!」の内容が無茶すぎて、全くもって「まず行動、大事だよね!」とはならないのが、残念でした。
まあ、ラストはインフレが度を過ぎて、逆に楽しかったんですが。
兎にも角にも、
ピクサーおそるべし!!!
是非劇場で見てください。
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