全編会話の脱力リアルコメディ
『セトウツミ』

~あらすじ~
性格は正反対だがどこかウマの合う高校2年生の内海想(池松壮亮)と瀬戸小吉(菅田将暉)は、放課後にいつも河原で話をしながら暇つぶしをしている。くだらない言葉遊びや、思いを寄せる女子へのメールの内容、時にはシリアスなことも語り合う。そんな二人を見守る同級生の樫村一期(中条あやみ)に瀬戸は憧れているが、樫村は内海に好意を抱いており……。
(シネマトゥデイ引用)
☆☆☆☆☆☆☆(70/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
此元和津也さんによる人気漫画の実写映画化。
主演には、今グイグイ来ている実力派俳優の2人、池松壮亮と菅田将暉!
監督は『まほろ駅前多田便利軒』や『さよなら渓谷』の大森立嗣監督です。
まずはこちらを...
特報第一弾「けん玉」
http://www.setoutsumi.com/sp/tokuho01.html
特報第二弾「タイミング」
http://www.setoutsumi.com/sp/tokuho02.html
特報第三弾「スタンディングオベーション」
http://www.setoutsumi.com/sp/tokuho03.html
はい、面白いと思った方は、見に行って下さい!!
説明はこれだけで充分...
そう思うくらい、全編こんな感じです。
実際に、この特報が映画の冒頭に流され、本編も同じような各10分程度の短編が1話から6話、加えて0話とエピローグの全8話のショートムービーから構成されます。
真面目で人を見下してるフシのある、インテリメガネの瀬戸。
ちょっとアホで長い物に巻かれるフシのある、お調子者の内海。
塾に行くまでの時間、クラブを辞めた空き時間。
全く接点のない2人ですが、たまたま共通した空き時間、川辺で時間を潰す瀬戸に内海が話しかけます。
内海「お前誰やねん。」
瀬戸「それ、案外こっちのセリフでもあるで。」
もう初めから凹凸がバッチリかみ合います。
こんな調子で、全く正反対の2人が、川辺でただ喋る。
本当にそれだけの映画です!
映画的とされている事は何も起こらないにも関わらず、この映画はずっと見てられます。
それは、何故か。
一つは会話の内容とノリが秀逸過ぎる為です。
後追いで漫画を見てみましたが、今作で笑いの大半を占める間や、声の強弱による面白さは、間違いなく、映像作品の方が良さを感じました。
むしろ、映像化を見据えた漫画としか思えません...
リアルだけどシュール。
映像にする事により、そんな絶妙なバランスを実現してしまっています。
そして、それを実現している...というよりもはや画面の中で生きているようにしか見えない、主演の2人はこれ以上ない最高の配役だと感じました。
また、この映画は何にもないように見えて、実は周囲は、環境は刻一刻と変わっています。
そんなショートムービーの繋ぎ方がこれまた匠です!
永遠には続かない事を匂わせる事で、二人で時間を潰すだけの、今という時間が愛おしく感じます。
「この川で暇を潰すだけの、青春があってもええんちゃうんか。」
劇的な事が起こらないこの映画だからこそ、何も考えずにただただ浸れる映画館で観るべきと思います!!
是非劇場で見てください!
ランキング登録しました。
気に入っていただけた方は、下記クリックをお願いします^ ^

にほんブログ村

映画ランキングへ

