高クオリティな、サイコサスペンス!
『ミュージアム』

~あらすじ~
現場に謎のメモが残される猟奇殺人事件が矢継ぎ早に発生するが、その事件は雨が降る日のみ起こっていた。一連の事件の関連性を察知した沢村久志刑事(小栗旬)は、自分の妻子が狙われていることを知る。やがて、カエルのマスクをかぶったカエル男の存在が浮かび上がり、犯人に近づいていく沢村だったが、カエル男の仕組んだわなにはめられ窮地に陥り……。
(シネマトゥデイ引用)
☆☆☆☆☆☆☆(70/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
原作は、巴亮介のサスペンスホラー漫画(上中下巻)。
監督は『流浪に剣心』シリーズを手がけた大友啓史。
NHK出身の演出家で、『ハゲタカ』や『龍馬伝』の演出を務めた後独立し、次々と大作を手掛ける今に至っています。
主演は若手トップ俳優といっても良いのでは!?小栗旬。
本当に、スクリーン映えする役者さんですよね。
猟奇殺人犯のカエル男を、妻夫木聡が演じます。
様々なレビューで書かれていますが...今作はデヴィッド・フィンチャー監督、ブラッド・ピット主演の『セブン』と非常に類似しています。
犯人を追ううち、残虐な殺人が「ある題材」に沿って繰り返され、自らもその題材の一部である事を身を持って突きつけられる...
題材こそ違えど、ストーリー展開はまさにそのもの!
そしてそれ以上に、まだ見ぬこの先への重たさ、救いのない未来への予感、作中を続む空気まで同じ。
もちろん、「題材」こそがサイコな肝である為、パクリなんて印象は全く受けません。
漫画の持つ題材と、映画でしか出せない空気が絶妙に絡み合っていました。
また、カエル男に踊らされる沢村刑事を演じる小栗旬も、ブラピさながら意気揚々と役を踊っているのが、見ていて何とも楽しくなってきます。
犯人を追いながらも、絶望へと追い込まれていく沢村刑事。
あまりにも残忍な殺人。
画面を介して異なる世界のはずなのに、見ているこちら側も酸素が薄くなり、息苦しさがどんどんインフレしていきます。
流浪に剣心シリーズでもそうですが、大友啓史監督は映画の雰囲気、空気を作り込むのが本当に上手い。
日本映画のわりには...なんて枕言葉は決して不必要で、サイコサスペンスとしての素晴らしいルックを保ち続けます。
こんなにも重量感があり、それでいて熱くなってしまう映画が、邦画で見られるなんて思っていませんでした。
ネタバレを避けるべき映画なので、中々ストーリーに触れられませんが、
ゾッとしっぱなしの映画の中で、
個人的には漫画同様にラストで記者が質問するあるセリフが一番きました。
猟奇殺人側と、被害者であるはずの裁判員達。
自己の裁量による判決と、それによる結果に.....
違いはある?
一方で、ストーリーテリングの部分で、もろ手を上げて褒められないのも事実。
仕掛けられた罠に、最大級に「頼むからやめてくれ...」となるシーン。しつこく引っ張る割に...あまりにあっさりでがっかり。
ラストの改変も蛇足。
後味の悪さを示したいんだろうが、そのために「理由」をつけてしまったのが、個人的にはやって欲しくなかった。。。
また、「あの気づく展開」は原作では胸熱だったのに、無くして欲しくなかった。
回想シーンが話を止めすぎるのも、この手の映画にはマイナスではと感じました。
それでも、十二分に楽しめる作品なのは間違いないかと!!
是非劇場で見てください!
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