シネマ・ジャンプストリート

劇場公開映画を中心にレビュー 映画の良さと個人的感想を。

80『ドクター・ストレンジ』絶対性を覆せ

こんなの見た事ない!

MCU最新作。
食傷気味なシリーズに新たな次元を注入!?
『ドクター・ストレンジ』



~あらすじ~
ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)は、天賦の才能を持つ脳外科医として名をはせていたが、ごう慢さが玉にきずだった。彼は地位も名誉もリッチな生活も手に入れていたが、交通事故によって全てをなくしてしまう。神の手と崇拝された両手の機能を取り戻すため、高額な治療を繰り返すが……。
(シネマトゥデイ引用)




☆☆☆☆☆☆☆☆(85/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
単体ヒーローとしても超大作となる映画同士が、クロスオーバーして世界観を共有するMCU(マーベル・シネマ・ユニバース)。
前作『シビル・ウォー/キャブテン・アメリカ』でひとまず区切りとなったフェーズ2。
仲間同士の内乱となり、これまでの経緯と主張がクロスする対立軸と、見事なまでに動的に映されるオールスターアクションシーンが最高だったのですが、正直背景が複雑すぎてクロスオーバーはもういいかな...と食傷気味でした。
そんな中で発表された単体ヒーロー作となる今作。
フェーズ3のスタートとなる訳ですが、次元を超えたスケールで展開する新感覚の王道映画になってます!!

監督は『フッテージ』や『地球が静止する日』のスコットデリクソン。
ホラーのイメージが強い監督ですが、ドクター・ストレンジに対する思い入れは並々ならぬ物があるようで、500万円の自腹を切って自らを売り込んだ模様。
マーベル側も監督人選には先見の明があるので、何か資質を見出したのでしょう。
主演は、今や変わり者を演じさせるの右に出る者はいないベネディクト・カンバーバッチ。
脇を、ティルダ・スウィントンやレイチェル・マクアダムス、マッツ・ミケルセンらが固めます。


今作の主人公は、滅法腕が良い脳外科医。
『アイアンマン』のスターク社長がひねくれ者な天才なら、ストレンジは傲慢な天才
順調に名声と傲慢さを伸ばしていたところ、大事故に巻き込まれてしまいます。
この事故シーンの重厚表現がまー凄い。
事故が原因で、彼の両手は医者として全く使い物にならなくなってしまいます。
それでも、担当医に「俺なら治せた。お前のせいだ!」なんて言ってしまう傲慢さは健在。
そんな傲慢な役を演じるのがカンバーバッチなんだから、もう見た目通りで、違和感0。


全ては医者としての腕だけでのし上がってきたストレンジ。
失えば、すべてを否定されたも同然です。
そんな彼が藁をも掴む思いで頼った、カマー・タージという謎の組織で、ティルダ・スウィントン演じるエイジェント・ワンに出会います。
別の次元が存在!?
その次元から魔術を引き出す!?

なんて話をされますが、彼は対極の存在である医者。
当然、信じれるはずも有りません。
しかし、魔術の世界が彼を覆っていき....
方向性と距離感を伸縮、湾曲させる空間。
『インセプション』以上に見た事がない映像が、画面に広がります。
トリップしたような抽象的な空間すら襲ってくる中で、もう笑うしかありません。

方向、距離、重力、時間...
これらは絶対性のあった認識や価値観。
魔術とは対極の存在であった彼の絶対性を、180度ひっくり返すには、充分過ぎる光景。
そんな絶対性がひっくり返される体感を、そのまんま追体験。
映像表現がストーリーに直結している所が、この映画の最大にして至極の魅力だと感じます。


傲慢な天才。
そればかり目につくストレンジですが、成功を掴んでいるのは臆病さ故。
傲慢さを取り払えれば、自らの後継者となる才能があると見たエイジェント・ワンは彼を弟子にするのですが、
同じくくかつての弟子であったマッツ・ミケルセン演じるカエキリウス率いる組織の脅威が忍び寄り...


作品のトーンは、DC作品のような重たさは決してなく、マーベル作品の中でも上位に来るほど、ライトになっています。
適度にオフビートであるマーベル独特の軽さとカンバーバッチの存在感との相性は抜群。
スクリーン映えする彼の表情やたたずまいが、より一段の面白味を生み出しています。
マントとの絡みや、その時のカンバーバッチの顔力なんか最高でした。

そして極めつけはクライマックスのアクション。
詳しくはここには書きませんが、とにかく必見です。
それまでのアクションも「こんなの見た事ない!」なんて思っていましたが、クライマックスには「こっちの方が全然見た事ない!!!」となっていました。

宿敵カエキリウス、そして新たな敵の存在の描き方も面白い所。
エイジェント・ワンの「身からでた錆」なのですが、それぞれが対極の錆になっています。
しかし、この映画の唯一の欠点もここ。
エイジェント・ワンを描ききれずに終わってしまった為、悪役のバックグラウンドの深みを一気に無くしてしまっていました。


されど!!
私は近年のアメコミ作の中では、一番好きかもしれない。
ガーディアンズ・ギャラクシーとマイティ・ソーの続編も続いていく...
今年もマーベル攻勢の年だな~



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  1. 2017/02/01(水) 16:28:25|
  2. 2017年公開映画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

コメント

西木さん、こんにちは!
毎月、たくさんの映画を劇場でご覧になられているんですねー。
私は、ついついお家でDVD鑑賞になってしまって・・。
もっと映画館で映画を本当は見たいんですけれども、近くに映画館がなくて。

これは私も劇場で見た映画でした。
このところ、アメコミ系作品が立て続けに上映されていますよね。
私は、原作を知らないもので、もっと知っていたらなあ・・・っていつも後悔するんですよ。
  1. 2017/07/01(土) 16:46:03 |
  2. URL |
  3. latifa #SFo5/nok
  4. [ 編集 ]

Re:

コメントありがとうございます!
映画代に交通費ってなるとなかなか大変ですよねv-356

私も原作知らないですし、大丈夫じゃないですかね。
ただ、シリーズの展開で共有する世界観が膨らむほど、途中から入るにはハードルが高くなってますよね...
そんな中で、今作やアントマン、スパイダーマン新作とか、しがらみの少ない作品の方が、私はワクワクするようになむてきてます!
  1. 2017/07/02(日) 18:58:27 |
  2. URL |
  3. 西木寸 #-
  4. [ 編集 ]

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