ラッセル・クロウ×ライアン・ゴズリングのバディムービー
『ナイス・ガイズ』

~あらすじ~
1970年代のロサンゼルス。シングルファーザーの私立探偵マーチ(ライアン・ゴズリング)は腕っ節の強い示談屋ヒーリー(ラッセル・クロウ)に無理やりコンビを組まされ、行方不明になった少女捜しを手伝うハメに。さらにマーチの13歳の娘ホリー(アンガーリー・ライス)も加わり捜査を進めていくが、簡単に終わるはずだったその仕事は、とある映画にまつわる連続不審死事件、さらには国家を揺るがす陰謀へとつながっていき……。
(シネマトゥデイ引用)
☆☆☆☆☆☆☆(75/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
『アイアンマン3』や『キスキス,バンバン』のシェーン・ブラック監督。
『ラ・ラ・ランド』ライアン・ゴスリングと『グラディエーター』ラッセル・クロウ、W主演のバディムービーです。
この二人自体のノストラジーな魅力がたまらないのですが、作中のファッションら音楽など全てから、70年代な空気がむんむんの作品です。
気取った見た目の探偵マーチ(ライアン・ゴスリング)。
この男、感は鋭い一方で、とにかく鈍臭いダメ男。
彼の空振りっぷりや、「それどうなの!?」な機転が、絶妙なオフビートなギャグとなります。
対するは腕っ節は強いが頭の固い、暴れん坊示談屋のヒーリー。
子供に対する正義感と、悪に対する容赦なき制裁。
ステレオタイプ過ぎる彼の強引さが話をゴリゴリ進めますが、実はこの0か1かの性格が後に作品に深みを産んでいきます。
絵に描いたように間逆の二人が、ある少女の失踪を巡って最初は対立するも(出会いが本当最高!)、ひょんな事から共闘を始めます。
探偵の鼻と示談屋の腕っ節で、順調に彼女に迫っていきますが、事態は思わぬ陰謀へ繋がっていき...
ノスタルジックな雰囲気とオフビートなコメディを交えながら、正反対のドタバタコンビが小さな案件を追うと、巨大な陰謀が見えてくる...そんな二転三転するサスペンス。
最初はPTAの『インヒアレント・ヴァイス』に近いのかなと思って見ていましたが、もっと近くに類似作品がありました。
まるっきり、監督の代表作『キスキス,バンバン』の焼き直し!?
お話の骨格のあまりの重なりっぷりに、思わず笑ってしまいました。
だだ、いかんせん憎めないのは、やっぱり面白いから。
どちらもテンポがよくて横滑りしていく作品の為、観客を置いて行きがちという欠点を抱えているのですが、今作は前作に比べると非常に見やすくなっています。
また、キャラクターも今作の方が魅力的で、好感が持てました。
大人の雰囲気を持つライトな作品に仕上がっているのですが、間違いなく最もそこに寄与したのはアンガーリー・ライス演じるマーチの13歳の娘の存在。
「私だって出来るのよ!」と捜査に首を突っ込んでくるのですが、手段を問わないドタバタコンビに良心を差し込んでくれます。
キュートな彼女の作中の存在感は抜群で、主役を食うどころか、「ダメ大人を成長させる」のだから、おじさんとしては心揺さぶられちゃいました。
さらに、それ以外の脇役キャラの個性も抜群。
しつこい殺し屋たちや娘の友人等、数テイクしか登場しない彼らですが、記憶にばっちり残っていきます。
重みのある銃撃戦も期待を大きく上回りますし、何と言ってもオフビートのギャグが最高。
彼ら皆、マジでやってるっていうのが、ビシバシ伝わります。
多少の滑りもあるのですが、それら含めてご愛嬌。
誰しも満足させる、アメリカンコメディアクションの良作になっていると思います。
是非劇場で!!!
ランキング登録しました。
気に入っていただけた方は、下記クリックをお願いします^ ^

にほんブログ村

映画ランキングへ

