シネマ・ジャンプストリート

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70『彼らが本気で編むときは、』yes!◯根!

形は後から合わせれば良い

生田斗真がトランスジェンダーを演じる話題作!
『彼らが本気で編むときは、』



~あらすじ~
母親が家を出てしまい置き去りにされた11歳のトモ(柿原りんか)が、おじのマキオ(桐谷健太)の家を訪ねると、彼は恋人リンコ(生田斗真)と生活していた。トランスジェンダーのリンコは、トモにおいしい手料理をふるまい優しく接する。母以上に自分に愛情を注ぎ、家庭の温もりを与えてくれるリンコに困惑するトモだったが……。
(シネマトゥデイ引用)





☆☆☆☆☆☆☆(70/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
『かもめ食堂』や『トイレット』の萩原直子監督最新作。
トランスジェンダーの主人公リンコを生田斗真が、その恋人のマキオを桐谷健太が、そして物語の中心となる11歳の少女トモを柿原りんかが演じます。

トランスジェンダー、LGBTを扱う邦画は非常に珍しい!
海の向こうでは、積極的に扱っているテーマで、近年はほぼ毎年アカデミー賞に絡んでいるのですが...
表面化する事は少ないですが、悲しいかな、日本での偏見は海外以上に大きいからでしょうね...

そんな珍しい邦画。
かと言って、今作は「これが世界の主流だろ?」と言わんばかりの小手先だけの映画かと言われれば、決してそんなことはありません。
多様性を前面に主張する訳ではない、
トランスジェンダーであるという事を、普遍的で大きなテーマを物語る為に的確に活かした、家族の物語、しっかりとした邦画になっています!
価値観ごり押しの形ではなく、こういう風にテーマに「普通に溶け込んだ」作品が注目されるのは非常に価値ある事だと感じました。

今作は主に、少女トモの目線を通して語られていきます。
母子家庭で育てられたトモ。
しかし、ある日母が男を作って家を出て行ってしまいます。
これは彼女にとってはよくある事。
母が男を作って出て行く...そんなのが日常の家庭です。
いつものように、叔父のマキオ(桐谷健太)の家にお邪魔すると、そこにはトランスジェンダーのリンコ(生田斗真)が。
当然、初めて接するトランスジェンダーに対して、トモは戸惑います...

そんなトモですが、
リンコが無条件で与えてくれる愛情、
マキオとリンコ、二人のお互いへの優しい想い、
自分の家庭にはなかった温かさ、
そしてリンコの過去と、将来への想い....

大きな彼女と触れ合う事で、次第に居場所を見つけていきます。

一方、「絶対に自分には子供は出来ない」そう感じていた、リンコの想いも、この作品は丁寧に拾い上げます。
多様化される社会の中で、日に日に変わっている母の在り方。
しかし、どんな形であれど、想いだけは変わってはいけない。
形など、後から作れば良い。
トランスジェンダーの立場から、文字通り形は後から作っていく彼女の変化と、母親とは?の問いかけが重なって伝わる展開に、「そうだよなー!!」と大きく首を縦に振ってしまいました。

その上での、
でも...やっぱり、そうなんだよ...


トランスジェンダーを演じる生田斗真はもちろんですが、今作は桐谷健太の役者としての底知れぬ器の大きさに驚きました。
社会的には成功しなさそうだけど、人として大切な温もりが滲み出ている。
こんな役も出来るのか...
彼が間違いなく、作品の質を1段も2段も持ち上げています。
あ、小池栄子も最高です!ざまぁ!!

温かくて、無理していなくて、(男根多発でも!?)品が良い。
そんな心落ち着く映画になってます。
是非劇場で!




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  1. 2017/03/16(木) 19:48:45|
  2. 2017年公開映画
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